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デート大作戦?

「マスター!」

「おかえり〜」

「おかえりなの」

「ただいま。話は後でするよ」


それだけ言って俺は、足早に創造神の神殿の出口へ向かう。

結構な時間創造神と話をしていたと思ったが、日の高さを見るにさほど時間はたっていないようだな。



「さてと、レイチェルどこに行きたい?」

「はえ?」

「そういう約束だったでしょ」


思った通り、レイチェルは俺と2人きりでだと思っていたようで、仏頂面になっている。


「人が多いし、もし離れ離れになった時を考えて、馬車の代金を皆んなに渡しておくよ」


セッターに渡す時に、俺は前にセッターがやったように胸に手を当て2〜3度握り拳を作ってから渡してやると、笑顔で返してきたから意図が分かったんだろう。


俺は何食わぬ顔でセーラムと手をつないで歩きながら、タイミングを見計らっていた。

最初は仏頂面だったレイチェルも、ヴァリュームでは見た事もない服や食べ物、アクセサリーなどを見て笑顔を見せるようになってきたかな。

そろそろか?と俺はセーラムを俺の《エルフの外套》で覆うとコマンドワードを唱え、姿を消すとそっとその場を離れた。

あとはセッターに任せるか。



「えへへ〜、作戦成功なの?」

「セーラム分かってたのか」

「うんなの」


セーラムは喋り方こそアホっぽいが、決して馬鹿ではない。場の空気をすぐに読み取り、戦闘では指示する必要なくその時一番有効な方法を選んでいる。



「嬉しそうだね」

「パパとデートなの」


ハハハ、パパとデートか。セーラムの中では俺は父親認定ってところか。まぁ、俺にはウェラがいるからいいさ。うーん、ウェラ元気にしてるかな…

そっと小指の指輪を俺は見た。


「あたしもそう言うの欲しいなの」

「じゃあ雑貨店でも見て回るか」

「うんなの!」


俺とセーラムは雑貨店をうろついていた。

やっぱり15歳って言っても女の子なんだな。

カチューシャをつけてみたり、指輪や腕輪、髪飾りをつけて楽しんでいる姿を俺は見ながら、創造神との会話の事を思い返す。


「…パ、パパ、パパってば」

「お、ゴメン。考え事してた。どうした?」

「もおぉしょぉぉがないなぁぁ。

いろいろ神殿であったんだろうけど、今はあたしと楽しむなの!」


ウェラと言いセーラムと言い、エルフって皆んな勘が鋭いものなのかな?

それとセーラムは最近困ったりすると普段より高い声で小さく『もおぉしょぉぉがないなぁぁ』が口癖になってきたような?



「これ買ってなの」


普段ねだる事のないセーラムが、なんの飾り気もない指輪を欲しがった。もっといいのはたくさんあると思うんだけどな。遠慮でもしてんのか?


「別にいいけど、もっと可愛いのとかあるのよ?ほら、これなんかセーラムに似合いそうだよ?」

「これがいいなの!」


おおう…パパトテモカナシイデス。

ま、本人がいいって言うならいいか。

銀貨1枚取り出し釣りを受け取る。支払いを済ませて店を出ると、何やらセーラムがニマニマしながら指輪を見ている。


「そんなにそれ嬉しいのか?」

「キシシ、これね、魔法の指輪なの」


何ですと!銅貨3枚程度の安物だったんだぞ?


「何で分かったの?それと効果は?」

「魔力感知ずっとしてるから分かったなの。鑑定してないから、効果はまだ分からないけどなの」


オイオイ、この子まさか常時魔力感知してんのかよ。セーラムの魔力一体どれだけあるんだ?

とりあえず、こんな町中で鑑定するわけにもいかないから、鑑定は宿屋に戻ってからだな。



「よっし、じゃあセーラム宿屋に帰ろうか?」

「うんなの」



馬車を捕まえて宿屋までさっくりと戻った。


やっぱりまだ戻ってないな。

とりあえずさっきの魔法の指輪の鑑定でも済ましちゃうか。


「セーラム、さっきの指輪鑑定しちゃおっか」

「は〜い。魔力感知!物品鑑定!魔法識別!」


さてさて掘り出し物かただのゴミか?


「ウワ…パパ、分かったなの」


ウワってなんだウワって。

ゴミどころか、呪いのアイテムとかか?


「えーと…」


結論から言えばゴミ。いやゴミとまでは言わないか。この指輪を身につけてコマンドワードを言うと日に1度だけ鉄貨1枚(100円相当)出てくるというもので、早速試すと手の中に鉄貨1枚が出てきた。


「ま、まぁ、30日欠かさず使えば、元は取れるからいいんじゃないか?」

「うーん…」




「マスター!戻りました」

「急にいなくなっちゃうんだから!」


覚悟はしてたが、やっぱりレイチェルには文句言われたけど、なんだかんだで楽しめたのかな?そこまで怒ってる様子はなさそうだ。


「俺も焦ってしばらく探したんだよ。なぁセーラム?」

「なの」

「あの人混みですからね。仕方がないですよ」


セッター、笑顔過ぎだ。

楽しめたようで良かった。っとレイチェルの首元に見覚えのあるネックレスがぶら下がっているぞ。セッター上手いこと渡したんだな。


「そのネックレスは…」

「のあぁぁ!こ、これは、その、なんでもないの。セッターからのプレゼントととかじゃないから!あ。」


顔あんなに真っ赤にして勝手に自爆したか。

これを利用しない手はなさそうだな。


「とりあえず夕飯行こうか?」

「そ、そそそ、そうね。夕飯何かなぁ」


ネックレスの事で突っ込まれたくなかったのだろう。俺が夕飯の話を振ると、チャンスとばかりに乗ってきてくれたお陰で、俺の方も上手くごまかせたかな?




「後で重要な話があるんだ。だから食べ終わったらすぐに部屋に戻ってほしい」


宿屋付属の食堂で食事をする前に言っておく。こうする事で、レイチェルに話を蒸し返されることもないだろうと思ったからだ。

まぁ実際重要なことだしな。



重要な話と言ったせいか、皆んな食事を無言で食べている。こんな事なら食事が終わる頃に言えば良かったな。


「マスター、戻りますか?」

「うん、2人も食べ終わったね」



どうするかなぁ。全部素直に言ってもいいんだけど、まさかレフィクルと戦いますだけは言いにくいんだよなぁ。

いや待て。対抗勢力を作って倒せとは言われたが、俺がやる必要はないんだよな?

そんな事を考えながら部屋に戻った。






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