表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/146

創造神

広いこの旧帝都を足で回るのは大変だ。人も多く移動しにくいため更に時間がかかる。

その為街中をタクシーのように馬車が走っている。


場所が分からない俺たちは、馬車を利用して創造神の神殿に向かうことにした。




「残っててくれたか」

「懐かしいわね」


そこには以前と変わりなく、なんの飾り気もない創造神の神殿があった。


神殿に近寄ると神官が気がつき話しかけてくる。


「創造神の神殿にご用でしょうか?」


ご用が無けりゃ、神になんか関わりたくもないんだけどな。

とりあえず無難な返事だけしておいて中に入り込もう。

中は以前来た時と変わりはないな。

一番奥まで行くと例によって更に下に降りる階段がある。神官が行かれる方はお一人ずつどうぞというわけだから、早速俺が前に出た。


「行ってくる」


聞きたい事だけ聞いたら帰れればラッキーだよな。ありえないだろうけどさ。そう思いながら階段を降りていった。





「待っていたぞ。自然均衡の代行者サハラよ」


そこには以前同様、靄に包まれてハッキリしない人物のような姿があった。


「待っていた?」

「うむ、由々しき事態が起こっている」


早速ですかい。嫌な予感がするなぁ。

聞きたかった事あってきたのに。


「レフィクル…ですか?」

「如何にも。あの者は人でありながら、神殿を構え、讃えさせ、ついには神の域に到達した」


は?神になっちゃったの?


「それで、由々しき事態とは何でしょうか?」

「【闘争の神エナブ】が倒された」


うは、神ぶっ殺したって凄いな。

あー、なんかこれってよくある展開じゃね?

まさか俺に倒せとか言わないよな。相手は神殺した神だろ、無理だぞそんなの。


「えっと、【創造神】なら何とかできるのでは?」

「私は創造する神、創造し見守るのみ」


まぁそうだろうな。なら逆に倒せる神を創造すれば良いんじゃないかな?



「今、【自然均衡の神スネイヴィルス】が【魔法の神アルトシーム】【守護の神ディア】【勝利の神アロンミット】と共に力を抑えている」

「なら問題ないのでは?」

「本来であれば問題はない。レフィクルはそれを知ってか、【魔法の神アルトシーム】【守護の神ディア】【勝利の神アロンミット】の神殿を破壊している為、3神は力の大部分を失いつつある」


あー、そう言えばこの世界の神様って、信仰の強さとかで強さが変わるんだったっけ。

そうなるといきなり創造したって、力も持たない神になっちゃうのか。



「もし【魔法の神アルトシーム】が死んだりしたら、魔法は使えなくなるんですか?」

「魔法と信仰は別だから問題はない。それに【魔法の神アルトシーム】は既に代行者を用意してある。其方同様、神が死した場合は代行者が神となる」

「それって、【自然均衡の神スネイヴィルス】が死んだら俺、神になるんですか⁉︎」

「如何にも。それが代行者だ」


なんかそれって俺上手い事嵌められた感じなんですが…

それよりも、抑えきれなくなったらどうするんだ?と言うよりもだ、倒すではなく何で抑えるなんだ?


「レフィクルを倒すという考えは無いんですか?」

「今の3神にレフィクルを制するほどの力はない」

「それじゃあ抑えていてもいずれは…」

「その為に【自然均衡の神スネイヴィルス】がいる。【自然均衡の神スネイヴィルス】は最強の神だ。信仰ではなく、均衡が崩れれば崩れるほどその力は増す」

「なら!「ただし、あまりに崩れすぎた場合、大洪水により全てを洗い流すことになる」


…………。

おい、それじゃあまるでノアの箱舟じゃないか。

神殿と信仰が無くなりさえすれば、レフィクルを無力に出来るという事か?その為ならその他大勢の命はどうでも良いって、勝手すぎるだろ。



「自然均衡の代行者サハラよ、【自然均衡の神スネイヴィルス】は其方に託すそうだ」

「託すと言われても…俺にレフィクルを殺せとでも言うんですか?」

「レフィクルは私が創造していない、無名の神。出来れば封印し2度と現れる事のないようにしたい」


つまりあれか?殺した場合、俺のような代行者を作っておけば、すぐにでも復活しちゃうから、地獄にでも閉じ込めるみたいなもんか?


「なんだか、悪魔みたいですね」

「悪魔とは私は知らない。悪魔とはなんだ?」

「悪魔とは、簡単に言えば悪を象徴する超越的存在をあらわす言葉ですね。今のレフィクルにはちょうど合ってるのでは?」

「なるほど。ではレフィクルを【悪魔レフィクル】と呼ぶ事にしよう」


やべぇなんか乗ってきた。

堕天使だと天使はなんだとか言われるだろうし、魔王だと魔導王みたいだからな。

やっぱりここは悪魔王とかのほうが良さそうだと思うぞ。


「そこは!【悪魔王レフィクル】はどうですか?」

「ふむ…

では【悪魔王レフィクル】と呼ぶ事にしよう」

「それで封印と言うのは一体どうするんですか?」

「【死の神ルクリム】が管理している〈死獄〉に閉じ込めるのだ」


死獄って地獄とは違うのか?それと【死の神ルクリム】って確か、バルロッサから土地奪った…じゃなくて、譲ってもらったとかの時に出てきたよな。



「死獄と言うのは一体何ですか?」

「死の監獄と言って、罪深い行為を行った者などを閉じ込める、決して抜け出す事のできない、永劫苦しみ続ける監獄のことだ」


ほぼ地獄のことじゃん。って事は創造神に悪魔王に認定されたんだし、レフィクルにはちょうどいい場所だな。


「それで、どうやって閉じ込めるんですか?」

「【悪魔王レフィクル】はまだ魂の保管をしていない。魂を抜き取り死獄へ運び、そして肉体を葬る」



結局戦うんじゃん。それと魂を抜き取るってどうやるんだ?

まぁ俺には関係ないか。って事はどうせならないんだろ?


「それで、俺はどうすればいいんですか?」

「理解が早くて助かる。

其方には3神が【悪魔王レフィクル】の魂を抜き取った後、肉体を倒す為の対抗勢力を作ってもらえばいい」

「つまり、魂は神が、肉体のほうは人がやれということですか」

「理解が早くて助かる。その通りだ」



まぁ全てよろしくって訳にはいかないもんか。

てっきり何処か行って、なんかとって来い!とか言われるもんだと思ってたよ。



「【悪魔王レフィクル】の魂を抜き取ると言うのはいつ頃何ですか?」

「《魂抜きの籠手》を【鍛冶の神スミス&トニー】達が作っている。完成までに2〜3年はかかるだろう」


2〜3年で対抗勢力を集めるの間に合うか?間に合わせろってことだろうな。



その後俺は聞きたかった、始原の魔術のことと襲ってきた者の事を教えてもらった。

始原の魔術は俺の思った通り、【悪魔王レフィクル】の力で領域を作り出しているという事だった。そして襲ってきた者の方は創造神も分からないという事だった。



一通り話を終え、俺は皆んなの所へと戻っていった。



読んでくれてありがとうございます。


今週はここまでです。

人物が異常に増えています。覚えにくいと思いますので、重要視すれば良いと思う人物だけあげておきます。

サハラ→主人公

レイチェル→後々重要な人

セッター→後々重要な人

セーラム→後々超重要なエルフ

今のところはこの4人だけです。


誤字脱字などありましたら、お知らせいただけると助かります。また、感想などもお待ちしてます。


次回更新は来週です。どれだけ溜め込めるか分かりませんが、頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ