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あの人と初めて喧嘩した。
あの人が女の人とお付き合いるのを、
初めて知った。
それから、俺とあの人は別れた。
別れてすぐにあの人は、付き合ってた女の人と結婚した。
俺は泣きたかった。
なぜか泣けなかった。
喧嘩してすぐ「ごめんなさい」って、言えたら?
別れる時に「行かないで」って、言えたら?
なんで涙は、意味も無いときにあふれてくるくせに、肝心な時に出てこないんだろうね?
あの人が別れようって言ったとき、一瞬、何を言われたか分かんなくて。
そんで、「なんで」って言葉が頭ン中を埋め尽くした。
何が何だか、もう訳わかんなくって。
俺が放心してる間にあの人は勝手に話を進めてて、
何も言えないうちに、俺たちは別れてた。
最初から分かってたんだ。あの人は、いつか女の人と結婚するんだって。
分かってた、つもりなんだ。
気付かなければよかったんだ。
初めから無かった事にすればよかった。
こんなにも悲しくて、本当なら叶うはずのない恋心。
あの人へのこの思いも、胸を締め付けるような苦しさも。
そして、あわよくば、悲しい(哀しい)と感じるこの感情も。
泣けば全部流せたのだろうか?
どうにしろ、涙は出てこなかった。
流す事ができないのならば、蓋をしようか。
蓋をして、鎖をぐるぐるに巻いて鍵を壊して。
もう二度と、絶対に開かないように…
そう、決めたのに…
初投稿にございます…
ずっと小説書きたいなーって思ってて、ネタは書き溜めてあるのですが…なにしろ文才がないものでして。続けて書けたら、いいなーとは思います。