35.ハッピーエンド
「え、レイン嬢じゃなかったわけ?」
ミンハルたちに今までのことを説明したら、驚いていた。それも当然だ。だけど、セイヴァンの友達にはちゃんと話しておきたいと思った。
「ああ。この通り、レイン嬢もマイも姿が戻ってる。お前たちが誤解しないようにと思ってな」
「でも世間の反応は難しいだろうな。公爵が婚約者をフッて身寄りのない娘と結婚するなんて」
ミンハルが眉を下げる。それは私もセイヴァンもわかってる。ほとぼりが冷めるまではおとなしくしてるつもりだ。
「そんなこと知ったことじゃないわ。私の方から婚約破棄申し出てあげますもの。セイヴァン様と結婚なんてお断りだわ」
レインがふんっと髪をなびかせて言う。レインが味方になってくれるのが心強い。
「レイン嬢がそういうならいいんじゃない?」
「応援するよ、2人のこと」
ベンとサムスが私たちを見て笑う。このメンバーがいれば、最強だと思った。
「パーティーに呼んでくれたの嬉しいし」
「ああ、大々的には出来ないからな」
今日は私たちだけの婚約パーティーで、風船は私とリリーとレインで飾りつけしたもの。
「私はお姉様が2人も出来て嬉しいですわ」
「ありがとうね、リリー」
リリーが持っていたブーケを私に渡してくれる。ささやかとはいえ、公爵家のパーティーは現代のものよりも豪華で、本当の結婚式みたいだった。白いドレスを着て、セイヴァンの隣で食事をして。プロの演奏を聴いてみんなとしゃべる。こんな幸せな日があっていいのかと、感動して泣いた。
「セイヴァン」
「どうした?マイ」
私はセイヴァンを見上げる。セイヴァンは微笑んで、私を見つめた。
「今すごく幸せなの。ありがとう」
「こちらこそ」
私の頬を撫でてセイヴァンが言う。
「これからももっと幸せにする」
「うん。私も」
この世界に来てよかった。セイヴァンと出会えてよかった。回復したレビウスが誓いの言葉を読んでくれる。
「「誓います」」
セイヴァンと声を揃えて、顔を見て笑った。
「「「キース、キース、キース」」」
ミンハルたちが盛り上がって手を叩く。恥ずかしくてきょろきょろとみんなを見ると、リリーもレインも拍手して見守っていた。俯くとセイヴァンの手が私の頬に触れる。顔を上げられて、セイヴァンが私にキスをした。とろけるように甘いキスにうっとりする。セイヴァンの唇が離れると寂しくて、セイヴァンを見上げる。
「そんな顔をするな」
セイヴァンが優しく笑って、私の腰に手を回した。
「大好きだよ、セイヴァン」
「ああ、俺も」
セイヴァンが額にキスをして、鼻をくっつける。
「愛してる、マイ」
この幸せが永遠に続くことを、私は願ってる。
~Fin~
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。新作推しの婚約者も投稿始めているので、読んでいただけると幸いです。よろしくお願いします。




