表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世が人気声優だった私は、完璧に悪女を演じてみせますわ!  作者: 桜咲ちはる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/36

27.理想の世界


 学校に行ったらアミューゼには絶対に会ってしまうから、セイヴァンが中等部まで送ってくれる。女子生徒の悲鳴にアミューゼが顔を上げ、私を睨む。立ち止まるとセイヴァンが私の前に出て、私を背中に隠してくれた。


「アミューゼ嬢、少しいいか?」

「……私を好きになってくれるならいいですわ」


 目を逸らし、アミューゼが答える。私はセイヴァンを見上げた。


「俺はレインが好きだ。例え操作されようともレインしか好きにならない」

「セイヴァンは誰もが憧れるヒーローなの!だからヒロインと、アミューゼとくっつかなきゃダメなの!」


 机をバンッと叩いてアミューゼが立ち上がる。セイヴァンはアミューゼをじっと見た、


「生み出してくれたことには感謝してる。だがそこから先は俺の人生だ。俺以外が決める権利はない」

「感謝するなら私と結婚してよ!」


 掴みかかろうとするアミューゼを、セイヴァンは顔色一つ変えず手で押さえる。


「一つ教えてくれ。魔王を倒すには、聖女の力と愛の力が必要なんだろ?この先どうなる?」

「知らないわよ、変わった未来のことなんて。セイヴァンが私を好きにならないなら、協力なんてしないわ」


 え……、そんなっ……。私はアミューゼの手を掴む。


「それじゃこの世界は?自分の作った世界を壊していいの?」


 姫奈先生だって、セイヴァンをこの世界を愛していたはず。それなのに、そんなこと簡単に言えるなんて。アミューゼは私の手を振り払う。


「あなたのせいじゃない!そもそもアミューゼとセイヴァンの愛の力は存在しなくなっちゃったの。私にもどうすることも出来ないわ」


 頭が真っ白になる。ライバルになっても、心のどこかでアミューゼがいれば大丈夫だと思ってたから。アミューゼはわざと私にぶつかって、教室を出ていく。セイヴァンはぽんと私の頭に手を置いて、優しくなでた。そうだ、私が絶望してちゃいけない。


 私はそれからは真面目に魔法の授業に取り組んだ。五大魔法すべてを使えることに先生は驚いて、放課後特別練習をつけてくれた。


「アルバドールさん、変わりましたね」

「ありがとうございます」


 先生はさすが優しくて、教え方も上手くてわかりやすかった。


「先生、魔王が現れてもこの魔法で戦えますか?」


 今のままじゃ無理だってわかってる。けど、素質があるかどうかだけでも知りたかった。私の言葉に、先生の表情が険しくなる。


「魔王の話はするべきではありません。あれは、聖女でも倒せないのです」


 セイヴァンはすんなり話を聞いてくれて、アニメではその兆候が出るまであまり話題に出なかったからどういう存在なのか知らなかった。話題に出すことも咎められるなんて。


「でも……」


 反省して俯いていると、先生が言葉を続ける。


「あなたの魔力量は、聖女に匹敵します。学園でも1,2を争うレベルでしょう」


 1,2……。それはアミューゼのことだろう。私が聖女くらい強くなれたら、可能性あるのかな……。できるよね?だって私だって転生チート持ってるんだもん。


「頑張ってるね」


 後ろから声がして振り向く。そこにはセイヴァンと、ミンハルたちも揃っていた。私はセイヴァンに駆け寄る。


「セイヴァン様、どうしてここに?」

「校舎から見えたんだ。レイン嬢が頑張ってるなって」


 セイヴァンが私の頭を撫でる。大きくて優しい大好きな手に満足してると、ベンが笑う。


「レイン嬢、犬みたい」

「ベン、令状に犬みたいというのは失礼だ」


 まさか犬に例えられるとは思わなくて、自分の頭を触る。サムスと目が合うと、サムスは微笑んだ。


「表情が柔らかくなったな」

「そう、ですか?」


 悪女ムーブをやめたからだろう。セイヴァンを見ると、セイヴァンは優しい表情で頷く。私より、セイヴァンの方が変わった気がする。アミューゼ以外に対するセイヴァンは、本当に冷たかったから。


「レイン嬢、これからお茶しないか?」

「えっ。……でも私、早く魔法を使いこなせるようにならないと」


 小説の時系列とはだいぶ変わっちゃってるし、いつ魔王が現れてもおかしくはない。アミューゼの協力を得られない以上、強くなっておかないと。


「息抜きも必要だ。おいで」


 だけどセイヴァンが私の腕を引っ張る。私はセイヴァンの胸に飛び込む形になった。セイヴァンが近くてドキドキする。


「アルバドールさん、今日は終わりにしましょうかね?」

「すみません、先生。教えてくださってありがとうございました」


 好きを自覚した今、セイヴァンの誘いを断れるわけがない。あとどのくらい一緒にいれるかわからないし。私は4人と一緒にカフェテリアに向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ