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前世が人気声優だった私は、完璧に悪女を演じてみせますわ!  作者: 桜咲ちはる


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14.テンプレート


 みんな自分が標的になると思ったのか、親しくしてた人たちもアミューゼから離れてく。孤立したアミューゼは毎日私たちと食堂に来ていた。誰もが私を主犯だと思っているのに、セイヴァンの前ではおとなしくしてると思われてるのかアミューゼもついてきてセイヴァンの隣に座る。


「セイヴァン様、【運命の人】って知ってますか?今大人気の小説なんですけど」

「レイン嬢は知ってるか?」


 毎日のようにアミューゼがセイヴァンに話しかけ、セイヴァンは答える前に私に振る。私は頷くけど、アミューゼの視線が怖い。


「どんな話なの?」

「転生したヒロインが冷たいと言われてる公爵様と出会って一目惚れをし、公爵様の婚約者の妨害にも負けず結ばれる話です」


 別物として読んでたけど、そう説明されると確かに【氷姫】と【運命の人】は似ている。同じ作者の世界だから当然と言えば当然か。


「なんかセイヴァンみたいだね」

「んなわけあるか。婚約者がいるのに他の女に目が行くなんて愚かすぎる」


 ベンの言葉をセイヴァンが否定する。いやいや、あなたもそうなる運命なんですよ。


「てか転生って何だ?」

「輪廻転生ってこと?」


 不思議そうにサムスとミンハルが尋ねる。アミューゼは得意げに頷いた。


「はい。別の世界で生きてきた主人公が突然ヒロインの体に入ってしまうんです」

「気持ち悪いな」


 う。セイヴァンの言葉に私が傷ついてしまう。


「気持ち悪いって、夢があると思いません?自分の書いた小説のヒロインになって、ヒーローと恋するなんて」

「他人の体借りて周りを騙してるだけだろう」


 セイヴァンの言葉が突き刺さる。私は立ち上がって、逃げた。


「レイン嬢?」

「あーあ、悪役は悪役らしくしてもらわないと」


 戸惑うセイヴァンとは反対に、アミューゼが不敵に笑ってたことなんて私は知らない。


 アミューゼへのいじめが日に日に酷くなってくのに耐えかねて、私はケイトン伯爵令嬢たちを呼び出す。


「レイン様から読んでくださるなんて珍しいですわね」

「アミューゼをいじめるのはやめて」


 探り合いしてる時間も惜しくて、単刀直入に本題を切り出す。ケイトン伯爵令嬢は目を細めた。


「本当にあの子と仲良くなったんですの?」

「レイン様なら気にしないじゃないですか。今まであなたもやってきたことなのに!」


 痛いところを突かれて何も言えない。それに、とケイトン伯爵令嬢は続ける。


「私たちは何もやってないわ」

「そうです。レイン様の指示なしに勝手なこと、するわけないですわ」


 じっと目を見ても嘘ついてるのかわかんない。けど彼女らはレインの権力を恐れてるから一理あるなとも思った。


「私たちを疑うなんてひどいですわ」

「一旦信じるわ。あなたたちのこと」


 私は一言言って、その場を後にする。彼女たちじゃなきゃ誰だと言うの?私の取り巻きぐらいしかアミューゼを嫌ってなかったと思う。私が誘惑した人たち?それなら私に何か言ってくるだろう。


「皆さん、来週は高等部との交流会があります。そのためのグループ決めをこの後行うので、高等部の体育館に移動してください」


 交流会なんてあるんだ……。他学年なんてセイヴァンたちしか知らない。でも避けるべきだと思うし、中等部の男子にはもう相手してもらえない以上チャンスかもしれない。


「レイン様!一緒のグルームになりましょう!」


 アミューゼが私に抱きつく。すでに確保していたのか隣にミレーナもいる。


「レイン様、当然私たちと組みますよね?」


 ケイトン伯爵令嬢も間に入ってくる。私は身を捩って間を抜けると先を歩いた。


「当たり前なんてないわ」


 クラスメイトは誰でもいいから、高等部の男子グループを捕まえないと。体育館に着いて、かっこいい人を探す。でもセイヴァンたちを見てたら全員モブに見えてしまう。


「レイン嬢」


 名前を呼ばれて顔を上げた。交流会ってセイヴァンの学年とだったんだ。無視して他のところに行こうとしたら、お腹に手を回される。


「どこ行く気だ?当然俺と組むだろう?」


 有無を言わせないくらい強く抱きしめて、逃げられない。


「セイヴァン様」

「ア、アミューゼ一緒に組もう。ラーデル様も」


 近くにいたラーデル様の腕を掴む。セイヴァンはため息を吐いたが、人数合わせで必要だから。セイヴァンとセイヴァンの友達3人と、アミューゼとミレーナと私とラーデル。これで8人決まった。ラーデルは恨めしそうに私を睨んでるけど気にしない。悪女のイメージをつけずに交流会を過ごしてしまうのは不甲斐なさすぎる。


「決まりだね」

「え」


 ごめんね、ラーデル様。でもこの交流会でセイヴァンとアミューゼの仲を絶対に進展させる。

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