第三話 主人公
朝から最悪の展開だ、登校したら下駄箱の前で白鳥琴音に話しかけられた。
「おはようございます!」
ずっと待っていた様子で白鳥琴音が嬉しそうにしている。
「1−A? 同じクラスだったんですね!ごめんなさい覚えてなくて、、」
「いえ別に気にしてません」
気にしてます、傷つきました。
「教室まで、、一緒に行っていいですか?」
「あ、はい(嫌だとは言えないだろ)」
俺達は教室へ向かった、向かう途中の廊下で白鳥琴音は頬を染めなからうつむき、俺の後から付いてくる。
なんだこの状況は。
教室に入ると俺はすぐさま席に付いた、白鳥琴音は入ると同時にクラスメイトと談笑を始めた。
白鳥琴音が横目でチラチラとこっちを見ている。
やめてくれ。
するとそこへ、めんどくさそうに担任の笹川鉄男28歳が入ってきた。
その服もまともに着れない無精髭の担任はダルそうに言った。
「あ〜、なんだぁ、、今日は出席を取る前に、不本意だがお前らに転校生の紹介をしなきゃならん。入ってこい」
どんだけ嫌なんだよ。
金髪の転校生が教室に入ってきた。
その金髪は、学ランを着崩し、緊張した様子で教卓の横へ着いた。
とても小さな声で自己紹介をした。
「名前は進藤カズマ、よろしく」
「だそうだ、まったく聴こえなかったが適当にかまってやれ」
その転校生に、白鳥琴音が小言を言い放つ。
「ちょっとカズマ!ちゃんと挨拶しなさい!」
「うるせえな、お前ガキの頃からちっとも変わってねえな!」
「面倒見てあげてねっておばさんからも言われてんだから!」
これはもしや、、
転校生で、、ヒロインの幼馴染。
間違いない、こいつ、主人公属性だ。