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エルランドの覚醒

【エルランドの覚醒】エルランド16歳春~


 両目が青くなり、エルランドは覚醒した。

 魔力の流れをつかむことができるようになって、

 エルランドの能力は飛躍的に増進した。

 なんと、4つのスキルが発現したのである。



『魔力集積スキル』


 まず、エルランドは魔力集積スキルを獲得した。

 空中の魔素を魔石にするスキルである。


 魔石は通常、魔物からしか手に入らない。

 スライムの小指の先程の小さな魔石でさえ、

 数百pで取引される。


 拳大の大きさだと、数百万p。

 それ以上の大きさだと、オークション案件になり、

 王室・大貴族・富裕層が取り合うことになる。


 魔石はもっぱら魔道具のエネルギー源となることが多い。

 生活魔道具はもちろんのこと、

 城の結界を維持する魔道具のエネルギー源になる。


 魔石は国の安定のために、非常に重要なのだ。

 しかし、その供給は魔物の討伐に依存している。

 人為的に魔石が作られることはない。

 今までは。


『坊ちゃま、ヤバいスキルが発現しやしたね』


『うーん。こんなこと知られたら、大騒ぎになるね』


『庶民だったらすぐに拉致されますね。貴族だったら、暗殺されるかもしれませんね』


『ああ、そうかも。パワーバランスが大きく変わるもんね』


『とにかく、絶対マル秘でやすね』


『ワフ!』


 ガルムでさえ真剣に聞いている。




『魔石回復薬』

 

 更にもうひとつ。

 魔力集積スキルに継ぐ重要なスキルが生じた。

 魔石を様々な薬に変換するスキルだ。


『坊っちゃん。もう、歩く秘匿案件でやすね』


『全く。なんで、いきなりこんなスキルが』


 エルランドは、このスキルで


  体力回復薬と魔力回復薬。

  状態異常回復薬。

  外傷修復薬。

  アンチ感染症薬。


 など、次々に作製できるようになった。

 いずれも、とびっきりの効き目だ。


 そこまでの能力を持つ薬師はこの国に何人いるのか。

 この瞬間、エルランドはS級薬師となった。




『魔道具作成スキル』


 エルランドに発現したスキルはそれだけではなかった。

 魔道具作成スキル。

 そして、4属性魔法(火・水・風・土)。


 エルランドが小さいときから努力してきたことが、

 今ここにきて一気に花開いたかのようだ。


 通常の魔道具作成は、

 ①魔法を解析する。

 ②魔法陣を記述する。

 ③魔道具に魔法を転写する。


 このうち、既存の魔法であれば、

 魔法の解析も魔法陣もすでに世に出回っている。


 しかし、未知の魔法や既存魔法の応用を行う場合、

 魔法の解析力や魔法陣の構築力が、

 魔道具師に求められる。

 

 エルランドの場合、

 魔法の解析も魔法陣の構築も魔石が行う。

 後は、その魔石からもたらされる魔法陣を

 魔道具に転写するのみ。


 必要なのは、実際に魔法を発現できるかどうか、である。

 発現できるのならば、それを魔石に記憶させるだけでよい。


 極端な話、敵が未知の魔法を放ってきた場合、

 それを魔石に記憶させてそれをもとに魔道具を作成できる。


 その能力はエルランドに魔法のコピー能力を与えた。

 未知の魔法でもエルランドの前で展開すれば、

 即座にエルランドはその魔法を自分のものにできるのだ。



 なお、4属性魔法については、

 すでに初級・中級魔法の学習が済んでいた。

 幼い頃から、ずっと魔法発動の訓練を続けてきたのだ。


 過去においては発動はできなかったが、

 発動式はエルランドの頭にある。



 つまり、中級魔法までならばエルランドは

 4属性魔法を操ることができる。

 多くの魔導師が1属性しか発動できないのに比べれば、

 破格の能力である。

 そして、後年、上級魔法についても身に着けていく。



 エルランドはまず魔弓を作った。

 魔弓は、

  弓を構えると、魔矢が自動装填される

  点滅する照準があらわれる。

  対象をロックオンすると赤く固定される。

  矢を放つと対象を自動追尾する。


  矢は魔石が尽きるまで。

  魔石はエルランドのスキルにより、無尽蔵に供与できる。


 という優れものだ。



 次は短剣。性能はと言うと。


  望めば長さ1m程度の魔法の刃となる。

  刃には、火・水・風・土魔法を付与することができる。

  例えば、刃からファイアーボールを発動することも可能。

  実質、4属性魔法の飛び道具として使用できる。


 魔弓と魔剣。

 誰でも使用が可能だ。

 弓の性能は付属する魔石の質に依存する。

 エルランドの作る魔石は最高品質であり、

 これ以上の品質にはなりえない。



 防御の魔道具も試作してみた。

 周囲を風魔法で覆い、攻撃から身を防ぐ防具である。


 防具はベルトにした。

 魔石を装着するために、都合がいいからだ。


 効果は、エルランドの作成した魔弓・魔剣を防ぐ程度。




『剣士スキル』


 4つめのスキルは『剣士』

 上記3つに比べると、いささか控えめなスキルである。


 しかし、エルランドには一番の歓喜をもたらした。


 男子貴族に一番求められること。

 それは護国であり、太古から剣の嗜みが求められてきた。

 剣の技術は備えていて当たり前なのだ。


 エルランドは幼い頃から素振りを欠かしたことは殆どなかった。

 手を見てみればいい。

 他の誰よりもエルランドは剣を振ってきた。

 それがようやく実ったのだ。


 無論、エルランドは剣士にとどまるつまりはない。

 さらなる高みを目指すつもりである。


 ◇

 ◇


『僕の【魔石】という祝福はかなり凄かったんだ』


 一時は祝福自体を呪っていたこともある。

 エルランドはこの祝福を授けてくれた存在に

 感謝と謝罪を何度もした。


『ただ、このことは父には内緒にしておこうか。確かにエメリの能力は凄すぎるし、今さら僕に魔力や有能なスキルが発現したとか言うのは伯爵家にとって混乱のもとだからね』


『坊ちゃま、承知しました。ただ、アンヌは非常に心残りです』


『坊っちゃん、口出しすることじゃありやせんが、アッシも残念です』



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

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