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村の料理 パン

【村の料理 パン】


『お坊ちゃま、獣人村の小麦はお菓子とか揚げ物に使う種類のものですね。パンには向いていません』


 アンヌはそういう。


『うーん、アンヌのいつも作っていたパンに比べると、なんだかペチャッとしていて弾力がない気がする』


『人族の街で小麦を買ってきて、栽培してみましょう』



 ということで、人族の市場で評判の良い小麦を購入した。

 村でパンを作ってもらうと、

 確かにアベニクス領での小麦よりも美味しい。


 パン小麦用の畑は新たに開墾する。

 従来の獣人村の小麦は別用途(揚げ物、お菓子)で

 使えるからだ。


 アンマーヌ用肥料を作った研究チームと共に、

 小麦に向く肥料を試してみた。


 アンマーヌ用の肥料は魔石回復薬を薄め、

 それを腐葉土にふりかけて作った。


 小麦用にはさらに貝殻を粉にしたものや、腐植土、

 動物の糞なども混ぜてみた。


 いろいろ試してみたのだが、

 小麦は案外肥料が必要な作物だった。


 アンマーヌはむしろ肥料は控えめのほうが良かった。

 それと比べれば、小麦は真逆であった。


 しかし、効果てきめんで

 隣で栽培している従来の小麦に比べると、

 5倍程度の収穫率になった。


 そこで、同じ肥料を従来の小麦にも与えてやると、

 パン用小麦と同程度の収穫率になった。


 味はアベニクス領での小麦よりも格段に美味しくなった。

 それは小麦の種類のせいなのか、

 肥料のせいなのかはわからない。


 たぶん、両方だろう。



【製粉の魔道具】


 小麦は概ね次のような工程を経て小麦粉となる。


 ①風魔法で小石や未成熟な小麦、ゴミを除外し、

  成熟した小麦のみ抽出する。

 ②土魔法で臼を動かし、製粉する。

 ③風魔法で小麦の表皮を取り除く。


 以上を魔道具化する。



【酵母菌】


 酵母菌は、魔法でというわけにはいかない。

 繊細すぎるからだ。


 酵母菌を作り出すマニュアルがあるが、

 なかなかマニュアル通りにはいかない。

 長年の経験が必要だ。


 アンヌは、一通り村人に説明し、実際にやってみるが、

 うまくいかない人には酵母菌を分けてあげている。



【白いフワフワパン】


 こうして、最高の小麦粉と酵母菌をもとに、

 パンを作ってみた。


『私史上最高のパンだわ』


 アンヌは自画自賛する。

 確かに、小麦粉の香り高くて味の濃いパンが出来上がった。

 食感もキメが細かく、フワフワもっちりである。


『直接食べても美味しいし、トーストにしたときの耳が甘くて最高!』


『貴族様はこんなに美味しいパンを食べてるんですね』


『いや、王族でもこんなに美味しいパンを食べてるかわかんないよ』


『この国一番のパンですか!』


 一番かどうかはわからないが、

 一番でも不思議ではない美味しさだった。



 アンヌにパン作りを教えてもらって、

 獣人たちはさっそく窯作りを始めた。


 すでに窯はあるのだが、それは焼肉用である。

 ニオイとかあるので、パンも、

 というわけにはいかないのだ。


『パン作り教えてもらったけど、アンヌさんのようにはいかなわね』


 ジーナはそういう。


『僕はもう何年もパン作りに挑戦してるんだけど、全然ダメだよ。最近ではエメリに追い抜かれてる感じ』


『えへへ。私、パン作り大好き』


 パン作りは時間管理、湿度管理、温度管理、材料の分量。

 チェックする項目がたくさんある。


 習うより慣れろというわけで、

 経験値をあげていく必要があるが、

 人により習熟度の早さが違うようだ。



『今まで、小麦とか雑穀の乾燥したものをお粥にしたものでも満足していましたが、このパンを食べたらもう元には戻れないわよ』


『うん、ジーナの気持ちわかるよ。申し訳ないんだけど、僕も獣人村に来たときに困ったのだが、そのお粥だったもんね』


『お坊ちゃま、そのお粥はオートミール粥と言って、栄養満点なんですよ』


『アンヌはそんなこと言って、定期的にお粥を食べさせるんだ』


『エルランドさん、私はお粥も好きですよ』


 エメリもアンヌに乗っかってくる。

 もっとも、エメリは好き嫌いがない。

 というよりも、好きしかない。

 いつも美味しそうに食事をする。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

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