エメリの凶悪なスキルと奴隷狩り①
【エメリの凶悪なスキル】エルランド20歳春、エメリ12歳。
エメリは魔力の流れをコントロールできる。
黒い塊のせいで魔力の流れがせき止められていたり、
流れにくくなっていたところで、
黒い塊を消すことで魔力の流れが改善する。
その御蔭で、エルランドたちや村民は
新たなスキルを獲得するに至った。
では、流れをよくすることができるのなら。
『エメリ、流れをよくすることができるんなら、止めることもできるのかな?』
きっかけはエルランドのちょっとした疑問からだ。
『たぶん、できると思う』
『スキルとか消えちゃうってこと?』
『わかんないけど、そうなると思う』
『なんだか、凄いよね。実験してみたいけど、怖いな』
『うん。もとにもどせるのかわかんないし』
などと話していたら、いい実験材料がやってきた。
【奴隷狩り】
『大変だ、子供がさらわれた!』
羊族の男が大慌てで村に駆け込んできた。
『いつ、どこで』
『ここから1kmほど南の森近く。ほんのすこし前なんだが、気配を消してる』
『子供は何人?』
『二人。羊族と猫族の女の子だ。薬草を摘みにでかけて』
『なめやがって。よし、捜索隊をすぐに出すぞ。あと、状況を詳しく』
羊族の男は自分の娘と彼女の友達で薬草を摘みに行った。
村の近くだからということで、
さほど警戒せずに軽装で出ていったらしい。
気づいたら、拘束魔法を使われ、
子供だけがさらわれたという。
『聞いたか、最低でもヘルメットはかぶれよ。よし、動けるものはすぐに現場に急行するぞ』
この村の警備担当のスラッシュは大声で指示をする。
ヘルメットにはアンチデバフ魔法が刻まれている。
数人の村人がフル装備だったこともあり、
被害にあった犬族の男に連れられて現場に急行した。
『ここが現場か。臭いは残っているか?』
嗅覚に敏感な犬族の男エリックが鼻を利かす。
『南に向かったようだな』
『わかった。オーランドは、村に戻って追加人員を手配しろ。嗅覚の鋭いやつを連れてこいよ。エリック他残りは俺と一緒に追跡だ』
敵は30分ほど先行していた。
しかし、子供連れのため歩みが遅い。
1時間ほど追跡すると、スラッシュの気配探知に
先を急ぐ集団が点滅した。
『よし、追いついたな。敵は4人と子供二人。あっちは俺たちをきづいていないな。俺はこのまま追跡する。エリックは後からくる奴らを連れてきてくれ』
『了解』
身体強化で獣人族にかなう人族はそれほどいない。
だが、誘拐犯は焦っていない。
自分たちが強力な拘束魔法を持っていること、
気配を消していると思っていることがあるからだ。
だが、獣人族の気配探査スキルはエメリのお陰で
強化されている。
魔法キャンセル付のヘルメットを被っているので、
拘束魔法は効かない。
隠密系の戦闘服を着ていることにより、
多少の探査魔法にはひっかからない。
あちらは誘拐組織の一味で
それなりの誘拐スキルを持っているのであろう。
しかし、強化された獣人の敵ではない。
一味は、○街の方向に向かっているようだが、
途中で脇にそれて森の中に入っていった。
すると、すぐボロ小屋にたどり着いた。
『どうやら、あれが奴らのアジトか?』
スラッシュはさらに探査魔法に集中する。
すると、誘拐団は全部で6人いることがわかった。
しばらく見張っていると、
エリックが村の追跡団を連れてきた。
中にはファーザ・ピーテルもいる。
状態異常魔法を得意とする、
今回の追跡劇では最適の人物だ。
作戦を全員で考える。
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