ダンジョン
【ダンジョン】
さて、ダンジョンでの戦闘というと。
ダンジョンは魔素のたまり場になりやすく、
100%魔物が湧く。
一般的に奥のほうが魔素が強く、
その分強い魔物がいる。
ダンジョンの浅いうちは大して強い魔物はいないが、
ほっておくわけにはいかない。
ほっておくと、魔素がどんどん濃くなり
魔物が湧き放題になる。
湧きすぎると、魔物がダンジョンの外に漏れ出し、
やがてスタンピードを起こす。
スタンピードは魔物の暴走状態を言う。
数百頭から数万頭の魔物が死の行進を行うのだ。
魔物は魔素の薄い状態では長時間生存できない。
やがては消滅する運命になるが、
それまでの時間、魔物は暴れ放題になる。
多くの人が死傷し、行進あとの農地は荒れ放題になり、
地域に多大な、場合によっては再起不能なダメージを
与える。
だから、ダンジョンでは魔物を間引く必要があるし、
しょっちゅう、魔素の濃度を気にする必要がある。
魔素はいきなり濃度が膨れ上がることもあるからだ。
『めっちゃ、楽ね~』
『本当だ。これでは気が緩みそう』
ジーナとフランカ(そしてハンス)は気配察知が鋭い。
半径30m程度なら敵の居場所がわかる。
半径50mでも、大型獣なら探知できる。
もっとも、50mの距離があっても、
気を緩めることができない。
多くの魔物はその距離をわずか数秒で飛んでくる。
障害がなければ、50mの距離を1ジャンプで詰めてくる。
瞬いた瞬間に敵は目前に達しているのだ。
だから、気が緩みそう、というフランカの発言は
ただの冗談である。
ただし、近接してきたらその方向に引き金を引くだけ。
それで敵は蜂の巣になる。
近接格闘が主だった昔と比べるとずっと楽なのは確かだ。
魔物は、地上にいる動植物に似た何かであることが多い。
骸骨だったり、頭が3つある犬だったり、
頭が獅子の鷲だったり。
いずれも強敵でなくなっている。
エルランドとハンスはすることがない。
擲弾銃は威力がありすぎて閉所では使いにくい。
狙撃銃も近接戦闘の続くダンジョンでは使いにくい。
もっとも、それはある程度予測して持ってきているが。
何の異変も起こらず、地下3階を終えて
地下4階におりることになった。
この階は少し前まで、ほとんど踏破できていなかった。
ダンジョンには広大な場所や空間ができることがある。
それこそ、閉じられた場所とは思えないような
ダンジョンがある。
それらができる理屈はわからない。
ダンジョンが異次元という人もいる。
その異次元のダンジョンが、この地下4階だ。
何故か、天井には青空が広がる。
広大な草原の果には地平線が見える。
まるで地上にいるかのようなダンジョンが地下4階だ。
ここにいる魔物は今までよりも数段強くなる。
獣人族がこの階から先に進むことのできなかった理由だ。
もっとも、新しい武器・防具魔道具のお陰で
多くの村人たちがこの階に進出している。
『おーい、ジーナとフランカ。それとエルランドさんとハンスさんか。久しぶりだね』
と挨拶してきたのは、人族剣士のキリルだ。
他に剣の修業メンバー数人を連れている。
久しぶりといっても1週間ぶりぐらいだが。
狭い村なので、それでも久しぶりの感覚になる。
『キリルさん、どう?』
『うーん、剣の修業でここに来てるんだけど、この階では剣はダメだな。リスクがありすぎる。もっぱら、これよ』
と、キリルは擲弾銃と突撃銃を組み合わせた複合武器を掲げる。
『この武器は強力すぎて癖になるな。あんなに強い魔物がほぼ一薙で蒸発していくんだから』
魔物はやられても死体を残さない。
霧となって蒸発していく。
残るのは魔石とたまにアイテムを残す。
『ほんとよね。気が緩んだダメなんだけど、半分ゲーム感覚になるわ』
『だよね。まあ、索敵能力があがることは確かなんだけどね。なんていくか、むしゃくしゃしたときにちょうどいいっていうか』
やっぱり、緊張感がない。
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