防具の魔道具
【防具の魔道具】
獣人族に防具のアイデアを聞くと、
『正中線を守る防具』
というのが真っ先に返ってくる。
要するに、近距離戦闘で真っ先に狙われる、
或いは保護すべき人の急所、
それを守る防具を要望されるのだ。
急所は、目、首、心臓、みぞおち、金的が代表的な場所だ。
それを直線で結んだのが正中線。
もちろん、いずれの箇所も大事な防御箇所になる。
エルランドはそれらのうち、
まずヘルメットとゴーグルを開発することにした。
この2つは村民が防御しきれていない箇所だ。
ヘルメットは物理防御も大切だが、
同時に状態異常魔法への抵抗力をここでつけたい。
魔法キャンセルはマザーの得意技である。
彼女に助けてもらい、魔法キャンセル魔法陣を
ヘルメットに刻み込む。
さらに、耐魔・耐物魔法の魔法陣を刻み込む。
ただ、いずれの術式もおもったよりも複雑だ。
特に、魔法キャンセルと耐魔はかなりやっかいな術式で
簡易化が大変だった。
その分、盾にはフルで術式を記述でき、
満足のいくものができた。
効果は魔石の質に関係する。
エルランドの集積した魔石ならば最上級の質となる。
これに対抗できる術者は、この国にはいないと思われる。
ゴーグルは、目潰し対策と耐物だ。
目潰しは、魔法ではなく単なるフラッシュとか
唐辛子をばらまかれるとか、
むしろ耐物といっていい攻撃がある。
その対策だ。
『ああ、はっきり見えやすね。黒い点もあるんでやんすね』
ハンスにゴーグルをかけてもらい、太陽を見てもらった。
ゴーグルはある程度以上の眩しい光をカットする。
『黒い点だって?』
『ええ、ちっちゃい点でやすけどね』
ハンスはこのところ、人間離れした視力を
持つようになってきた。
50m先のぶどうの粒の個数を数えてみたり、
1km先の人間の表情を見分けてみたり。
これが弓匠の能力なんだろう。
スナイプ用の魔道具はかなり高性能だ。
ハンスはスナイパーとして、怖れられるかもしれない。
次に製作したのは、迷彩服上下である。
普段使いもできるようにした。
この服には簡単な物理・魔法防御を埋め込んである。
さらに、カメレオンのように周囲の状況に応じて
迷彩が変化する。
気配遮断魔道具が縫い込まれている。
強い魔物には効果が薄いが、低レベルの魔物ならば、
気づかれることがない。
以上のヘルメット、ゴーグル、盾、迷彩服を
優先して作成した。
村民全員に行き渡るようにである。
その後、残りの防具である、首輪、胴体防具、ブーツ、
グローブを作っていった。
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