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8話

「それじゃあ始めるぞ。ちびっこ。」

 試験官は獣人族。映像ではほとんど動きを見れなかったので対策の立てようがなかった。


 試験官から百メートルほど離れたところで止まった。しばらく沈黙が続いた。

 

「あんなちっこいやつFにもなれないだろ。」

「冒険者舐めてんのかよ」

 そんな声が会場に響いた。野次で会場がざわざわしてきたとき、声に気を取られて少し隙ができてしまい試験官に一気に距離を詰められてしまった。

 

 はやい!けど・・・

「我を守りたまえ。」

 防御を張りいったん飛んで距離を取る。

「ほう、獣人族かと思ったが有翼人とのハーフか!」

 試験官はにやりと笑い下を指さした。

 下を見ると魔法が展開されていた。

 翼を使って思いっきり飛ぶ。見下ろすとさっきまでわたしのいた場所が爆発していた。

「くっ」爆風で少しバランスを崩してしまった。


「なんだちびっこ。かからなかったのか!やるな!だが、避けているだけじゃあ勝てないぞ!!怖くなったか?」

「いいえ。もう反撃します!!」

「こい!!!」

 わたしの適正魔法はわからなかったが魔法の本を読んでいてこれは使えるって思ったものがあった。実際に使うのは初めてだけど、やれる。

「風よ!切り裂け!!」

 風の刃を向けたが簡単に避けられてしまった。だけど予想の範囲内だ。

「なっ?!」

 今までの動きを見て着地点を予想して地面を魔法で泥に変えておいたらちょうどそこに着地して足を滑らせた。

 その隙に拘束出来たらよかったのだけどすぐに体勢を立て直してしまった。土魔法と風魔法だけじゃだめか。

 だったら

「この場を闇で包み込め!」

「はっ?闇魔法だと?!」

 流石にこれはよんでいなかったのか試験官は驚いた顔をした。

 そのとき少し隙ができた。今のうちに拘束魔法を!

 そうおもい獣人族の脚力と有翼人の飛行能力を最大限利用して思いっきり近づいた。

「甘い。」

 そう言われ蹴飛ばされてしまった。もう少しで闇が晴れてしまう・・・なら

「光よ!照らせ!」

 会場を思いっきり光らせ視界をつぶす。使用者には影響はないから私は普通に動ける。

「炎よ!あのものを拘束せよ!」

「土よ!っ・・・あっつ!!!!!!!!」

 声が被ったが何とか先に言い終わった。


 わたしは試験官を拘束することに成功した。



審判がいつになっても結果を言わないので見てみると固まっていた。

視線に気づいたのかハッとして息を吸う。

「勝者・・・挑戦者!!!試験官を拘束したのでBランクに認定する!」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

わあああああああああああああああああああ!!と急に歓声が上がった。


誰が最初こんな小さい子が試験官に勝つと想像できようか。誰もできないだろう。誰も期待していなかった。だが、勝った。この小さい子は勝ったのだ。



野次を飛ばしていた観客は口を開けて呆然としていた。

まさかわたしみたいに小さい子に試験官が負けるとは思っていなかったのだろう。

その人たちのほうを向いてにやりと笑ったらビクッとして視線をそらされた。


歓声に耳を傾けてみると「すごいな嬢ちゃん!」みたいな声が多くありその中にはシルフィーのすすり泣きみたいな声まで聞こえた。

試験が終わって安心したのか、力が抜けて座り込んでしまった。

嬉しい。認めてもらえたことが、勝てたことが。

すごく、すごく。

「お、おーーーい。そろそろ魔法といてくれねえか?あっついんだけど・・・」

 感傷に浸っていたらそんな声が聞こえてきた。・・・忘れてた。

「あっごめんなさい!今解きます!」

 すぐに魔法を解き火傷がないか確認した。

「大丈夫だよ。俺からだ丈夫なほうだしな。それにしてもだ!本当にすごいな!俺試験で負けたの初めてだしかけられた魔法解けなかったし・・・本当に子供か?」

 すごく頭を撫でられながら言われた。

「お前、名前は?」

「シルヴァです。」

「俺はトールだ。そんなに強いならすぐにAランクになるだろう。がんばれよ!よろしくな!」

「はい。よろしくお願いします!」

 トールさんと握手をし、会場を出た。


ここまで読んでいただきありがとうございます!


よければブックマーク等お願いします。




次回更新予定は10月3日です。(変更の可能性あり)


よろしくお願いします!


お知らせとか↓


(@maho_tadano)

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