3話
目覚めると、知らない家のベッドで寝ていた。
横を向くと知らない黒髪の女の子が立っていた。わたしが起きたのに気付くとぱあっと笑顔でわたしの手を掴んできた。
「あ!起きたんだね!よかった!ちょっとまってて!」
といい部屋をでて走っていってしまった。
話しかける暇も無かったな・・・
自分をよく見ると土で汚れていたはずの身体と服が綺麗になっていた。
それよりもここはどこだろう。あと、あのときの人は・・・
”コンコン”
「入ってもいいかな?」
さっきの人の声だ
「ど、うぞ」
・・・?声が出にくい
さっきの女の子と男の人が入ってきた。
「・・・覚えてるか?」
「お、ぼえ、て、ます」
男の人は森でわたしを助けてくれた人だった。
「お前、声出しにくいのか。」
「ん、?んん・・・は、い」
「そうか。まあただのどが渇いているだけだろう。水を持ってきたから飲むといい。」
そういい男の人がくれた水を飲んだ。
・・・少し落ち着いたな。
「ねえ、そのー服がね?ボロボロだから変えたいんだけどベッドからたてるかな?」
そう言われてみると身体自体はきれいになっていたけど服はボロボロだった。
「わ、かりました。」
わたしが起き上がると、2人は驚いた顔でわたしを見た。
不思議に思い自分の身体を見てみると、翼が出ていた。
そういえば翼を使えないようにされていたからしまっていたんだった。鎖が取れたから出てきたんだな。
わたしの見た目は獣人の耳に有翼人の翼、この世界では混血は珍しくないけど両親のどちらかの種族の見た目になりやすくて、どっちもの特徴を持っている人はいないといわれている。だからわたしは村で気味悪がられていた。やっぱりここでもそうなのかな。
「・・・」
?女の人が震えている
「め、めっちゃきれい!!!!すごいきれいだねその翼!!!しかもその耳ってことは獣人と有翼人のハーフなの?すごいね!!!ねえ!そう思いますよね!!」
といいながら男の人をバシバシと叩いていた。
「気味、悪くないんですか?」
「「え?」」
「だって、こ、混血で両方の特徴を持ったわたしなんて・・・む、村の人も気持ち悪いって」
「そんなことないよ!!!もう!それいった人はバカ!もう私がぶっ飛ばしちゃうよ!!連れてこーい!!!」
「おい・・・まあそいつが言うとおりだ。気持ち悪くなんかない。お前が今まで住んでいたところがどうだったかは知らないが、ここら辺ではハーフは珍しくない。」
「そ、そうなんですか?」
「そうだよ!!!わたしの知ってる人でもハーフの方かなりいるよ!両親の種族の特徴持った人だっているよ!」
「村ではハーフの人は見たことがなかったから、わたしがおかしいのかなって思っていたけど・・・そんなことなかったんだ・・・」
すこし泣いてしまった。
「あとでこいつをリビングに連れてきてくれ。」
「わかりました。で!も!こいつ、じゃないですよ?」
女の人はにっこりと笑って男の人を見た。
男の人は少し戸惑うような顔をして、すまない・・・と言い去ってしまった。
女の人はあきれたような顔をしてくるっとこっちを向いた。
「じゃあまずお風呂行こうね!魔法できれいにしたけど一応ね!」
といいわたしの手を引いてお風呂に向かった。
「そういえばわたしの名前言ってなかったよね?私シルフィーっていうの!よろしくね!あなたは?」
「わたしはシルヴァです。よろしくお願いします」
「シルヴァちゃん!よろしくね!あと!敬語じゃなくていいよ!」
「は・・・う、うん」
シルフィーさんと一緒にお風呂に入り服を借りて着替えた。
服には翼用の羽を開けてもらった・・・のだけれど。
「ご、ごめんね?これ以上ちいさい服なくって・・・」
そう、わたしが着るととてもぶかぶかなのだ。
「大丈夫。大きい服よく来てたから好き、だから」
「そう?それならよかった~」
着替えたわたしはシルフィーさんに案内してもらいリビングに向かった。
「おう、着替えてきたか。おま・・・シルヴァに聞きたいことがある。が、その前にこれやる。」
と言いチョーカーのようなものを渡された。
「何ですかこれ?」
「魔力を抑えるものだ。お前が倒れていたところ一帯は草木がなくなり地面がえぐれていた。それが全力でだした魔法かは知らないが、起こったことから考えて魔力の量が多いのは明らかだ。だがまだちゃんと制御できていなかった。それでまたやりすぎた、なんてことがあったら大変だろう。だから一応つけておけ。」
そっか。あの時みたいな魔法を使っちゃうと大変になっちゃう。もしそれが自分が意識してないところで起こったら怖いもんな・・・
「魔力の制御に自信が持てたら外してもいいがそれまではやめておいたほうがいいだろう。まあ強制じゃないから普通に外してもいい。」
「わかりました。ありがとうございます。」
この人には感謝してもしきれないな・・・
「そうだ。リビングに呼んだ理由これだけじゃないんですよね?」
「ああ、そうだ。話せる範囲でいい。なぜあんな所にいたのか教えてくれ。
そうだよね。この人には話さなくちゃ。
「わかりました。わたしは・・・」
わたしは森に来るまでの経緯を魔王の事だけあやふやにしてそれ以外はすべて話した。
「・・・ていうことです。」
「そうか。」
と言い悩みこんでしまった。シルフィーさんを見るとなぜか号泣していた。
「ぐずっ・・・大変、だったね・・・」
といい頭を撫でてくれた。少し恥ずかしかったけど嬉しかった。
「あの、名前教えてくれませんか?」
ふと名前を聞いていなかったのを思い出したので聞いてみた。
「あ、ああ。俺は“ルキ”だ。・・・その、だな。お前が望むなら、ここに居てもいいぞ。」
え?
「この後どうするつもりだったんだ?」
「えっと、孤児院とかに行こうかなって」
「えー!そんな!私もうシルヴァちゃんと一緒にいる気満々だったのに!・・・行っちゃうの?あのね、いやだったら断っていいんだけどよかったら私たちと一緒に住まない?」
「い・・・いいんですか?」
「ああ」
「いいんだよ!というかいてほしいな!!!」
シルフィーさんはにっこりと笑い言ってくれた。
その笑顔はどことなくお母さんに似ていて安心する。
それにとても、とてもうれしい。
「ありがとう」
わたしはルキさんとシルフィーさんと一緒に暮らすことになった。
次回はルキさん視点になります。
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(@maho_tadano)




