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2話

 目を覚ますと庭で倒れていた。気絶していたらしい。まだ明るいから少しの間だろう。

お母さんとお父さんはそのままだった。

 

 玄関からドンドンと扉をたたく音がする。


 「アリウムさん!シオンさん!大きな音がしたがなにかありましたか」

 ・・・村長の声だ。お母さんとお父さんを呼んでいる。


 ガチャ

 「村長・・・」

 

 「・・・アリウムさんとシオンさんはどうした」


 村長は顔をしかめた。


 「なんだその恰好は」


 自分の格好を見ると髪の毛はぼさぼさで服は土で汚れていた。

・・・

 わたしは村長の手を無言で引っ張り、庭まで連れて行った。



 「な・・・ア、アリウムさん!!シオンさん!!」


 村長は血だまりの中に倒れているお母さんとお父さんを見て顔を真っ青にして走り寄った。


 「息が、血も、死んで、る。なぜ」


 村長が肩をつかんできた。


 「おい。なんでアリウムさんとシオンさんが死んでいる!!!」


 「ま、魔王、来たから」


 「は?魔王?!なんでだ!いや・・・・・・」


 村長は魔王を知っているらしい。魔王とは何なのだろう。


 「・・・おい。今日はうちに泊めてやる。ここに居るのはよくないからな。」


 その日は村長の家に泊まった。お母さんとお父さんの身体はどうなったのかな。村長が、自分がどうにかするといっていた。

・・・お母さん、お父さん 会いたい、お話したい、いっしょにごはん、たべたい、もっとずっと一緒にいたかった。


「お母さん、お父さん・・・」


 魔王、わたしはその男のことを何も知らない。知って必ず、必ず・・・



 その日は寝てしまい起きたらもう朝になっていた。


 コンコン

「入るぞ」


「村長・・・泊めてくれてありがとうございます」


「・・・着替えたら外に出ろ。」


 それだけ言って村長は部屋を出て行った。


————


 外に出たら村で見たことのない男と村長がいた。


「この子ですか?」


「そうです」


「いやー・・・真っ白な髪に珍しい緑の目、それに魔力の高い種族との混血・・・はい!これなら高く売れるかもしれないですね!お受けしましょう。」


 と気味の悪い笑みを浮かべて言った。

その言葉でわかった。この男は奴隷商人で村長はわたしを売ろうとしている。


「それはよかったです。しかし、この娘を売ったと知られれば・・・」


「はい!わかっていますとも。この件で関わった方の事は誰にも話しません!」


 奴隷商人はわたしの手足を鎖でつなぎ、馬車にのせた。村長は

「恨むなよ」

 と一言だけ言って去っていった。



 混血で見た目が珍しいわたしを村長は前から嫌っていた。それに加え身寄りのなくなったわたしを村長がどうするかなんて考えればすぐわかることだったからなんとなく予想はしていた。


 わたしは魔王に復讐するどころかどこの誰かも知らない人に売られて、人としてではなくペットのように扱われるのか。

 馬車で運ばれながら考えていた。


 そんなことになったらわたしのこの気持ちは?


 嫌だ。あの魔王を倒そうと戦ったお母さんとお父さん。なんで戦ったのか、それはわからない。だけど、お母さんとお父さんを魔王が殺したことに変わりはない。わたしは、必ず復讐する。


 まずはここから脱出しよう。


 ・・・でもどうやって?

 どうすれば・・・魔法が、わたしに魔法が使えれば・・・でも、わたしはまだ魔法を教わっていない。

 魔法が得意なお父さんに誕生日に教えてもらう約束をしていた。お父さんはどうやって使っていたっけ。


「風よ。」

 無意識につぶやいたその時


“パキッ”


 手足の鎖が切れた。


「え?なんで?・・・でもこれで動ける。」

いましかないそう思った。


「逃げよう」


 今馬車が走っているところは、村の近くにあった大きな森だろう。馬車はたぶん三日くらい走っていたからもう村からはかなり離れてしまったとおもう。それに今、村に戻ってもいいことはないだろう。・・・たしかこの森を抜けたところに大きな街があったと思う。東と西に。いまどっちのほうに向かっているかはわからないけど逆側に走れば都市の中でこの馬車の商人に会うことはないだろう。

よし、そうと決まればこの馬車から逃げよう。・・・なるべく音が立たないように飛び降りなくちゃ。少しでもばれたらそこでおしまいだから。


「わたしならできる。大丈夫。」


 自分にそう言い聞かせて飛び降りた。


「衝撃を抑えたまえ」


 また無意識に呟き、着地時の衝撃が抑えられた。


「・・・魔法。なんで?」


 でも気にしている暇はない。この森は魔物が多い。


「早く、早く行かなくちゃ。このままじゃ魔物に・・・」


 襲われる。そう言おうと思った時には遅かった。

 もうすでに狼型の魔物がわたしを囲んでいた。

 どうしよう・・・このままじゃ食べられちゃう。そうだ、お母さんは・・・戦っているときのお母さんの真似をすれば・・・さっきもできたんだから!


「我を害なすものから守りたまえ」


わたしの周りには見えない球体の壁みたいなのが張られた気がした。

これでたぶん攻撃は受けないけど、進めない。倒さなきゃ。


「風よ!刃となり魔物を切り裂け!」


 わたしを襲おうとしていた魔物はあっけなく倒れたが、魔物に当たらなかった魔法が変に動き地面をえぐってしまった。しかも周りの木々を倒して。

 ・・・このままだと他の魔物に気付かれちゃう。はやく移動しなきゃ。

 そう思っているのに体がうまく動かず地面に伏してしまった。

 このままだと魔物がくる。どうしよう。魔法も使えない・・・どうすれば、やだ、まだ死にたくない。死ねない。


「・・・だ、だれか」


 微かに足音が近づいているのがわかった。魔物・・・?


「・・・お前がやったのか?」


 足跡の正体は人だった。声からして男の人だろう


「そう、です」


「・・・おまえは何者だ」


 そう問われた


「わたしは、シルヴァ」



 そこで私の意識は途切れた


読んでいただきありがとうございます!


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(@maho_tadano)

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