第4話 幼馴染は偉大
さぁて、未来を変えると意気込んで言ったものの、具体的に何をすればいいのかわからない。
「はぁ…どうしよう…でも死なれるのは困るしな…」
独り言をブツブツ言っていると、隣から麗が話しかけてきた。
「光、お昼に誰かと話してたよね?誰だったの?」
麗は1度気になったら、理解するまで詰め寄って来る。この性格は私以外の人にも知られていて、それにはみんな懲り懲りらしい。実質、私もそうなのだが。
「あー…あれは自問自答って言ったでしょ、別に誰とも話してないって」
「嘘、あれが自問自答なのはおかしい」
そう言うと、麗は顔を近づけて私のことを睨むような目で見てくる。
「そ、そんな目で見てこないでよ、鬱陶しい…なんにも無いってば、気にしないで」
そう言って無理矢理麗を離す。
天人とのことは麗には言わない方が良いだろう。言ったとしても、彼が理解してくれるはずがない。最も、麗はスピリチュアルな話とか、ファンタジーとかが好きではない。そんな麗に天人のことを言えばどう思うだろうか。
「ねぇ、光ってば、僕の話聞いてる?」
「えっ?あ、うん、聞いてる聞いてる」
私が天人のことを考えている間に、麗は諦めたのか、話を進めていた。いつまでもぼーっとしていては何も変えられない…。
「あ、麗、今日は一緒に帰れる?」
「ん?帰れるよ、今日は生徒会の仕事無いみたいだし」
未来を変えるための行動と言っても、何をすれば良いのか……
考えても出てこない。
とりあえず、なるべく麗と一緒に居ることを心がけよう。
「うんうん、ナイスですね!」
いきなり天人の声が聞こえたので、びくっと肩が跳ねてしまった。そうだ、こいつ人の心を読めるんだった。
ちらりと麗の方を見やると、私の行動に異変を感じたのか、首を傾げてこちらを見ている。
ヤバい、完全に怪しまれてる……
「虫…が、耳元に来て…びっくりしただけ」
「そっか、そういえば光、虫嫌いだったね」
そう言いながら麗は笑った。
私は、麗のその笑顔を見て、胸が苦しくなった。こんなにも麗が笑った顔が、神々しく見えるなんて…。
麗が死ぬことを聞かされてからは、麗の行動や表情の全てが輝いて見えた。もう少し、麗と話す時間を作ればよかったなと、今更後悔している。
だけど、未来は変えられるんだ。まだ麗が死ぬと決まったわけじゃない。何か1つでも行動を起こして、未来を変えるんだ。そうすれば麗ともっと話せる、麗の笑顔がもっと見れる。
「ねぇ光、今日の帰りにさ、学校近くに出来た新しいアイス店にでも行かない?あそこ、すごく美味しいらしいんだー」
「良いね、行こう」
こんな他愛のない会話でも、麗と話していると思うだけで安心する。幼馴染の存在って偉大なんだなぁとぼんやり思う私の隣で、天人が呟いた。
「未来を変えるための行動だとしても、その未来がいつ起こるかは誰にもわかりません、それは頭に入れておいてください」
ドキッと心臓が鳴った。
天人が言った麗の命日はあくまで変わらない未来のことであって、変えるとしたら、生の未来か死の未来か以前に、その未来の出来事自体がいつ起こるかがわからない。
そして状況によれば、その未来が死であるかもしれない。そう考えると、見えない恐怖がすぐ隣にあると思い知らされているみたいで、怖くなった。
「光?どうしたの?顔色悪いよ?大丈夫?」
麗が心配して私の顔を覗き込んできた。
私は慌てて、「大丈夫」と返した。
麗は「そう…」と言うと、また自分の話を始めた。
後半、何言ってんねんこいつってなりましたでしょう。
話が進んでいくに連れ、クオリティの低さが目に見えてくる作品となってしまい申し訳ありません。
サブタイトルも内容とマッチしてなくてごめんなさい。
アドバイスなどあればお願いします。