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魔王と勇者に憧れた者  作者: ヨベ キラセス
二部 魔狼編
38/40

魔王少女×黒狼少女

「……ユウマ!」

 ユウマの背後に、縛っていたはずのあの男がナイフを持って、今にも振り下ろそうとしていた。

「させないよ!」

 そして邪魔なテイマーの猛攻に、自身がまだまだ弱い存在だということをようやく実感していく。

 経験が足りず、あらゆる動きに対応できていない。

「ユウマ、起きて! ユウマ!!」

 あまりにも無力な自分に絶望する。いま、彼は殺されそうなのに、手が伸ばせない。届かない。

「ユウマ! ユウマ!!」

 愚かだった。ユウマを守って戦えると驕った自分が、結局、彼を守れていないじゃないか。

「ゆうまー!!」

 ユウマの背後に、ナイフが––––


「やらせない」


 _________________________________


 マオが彼を叫んだと同時、僕はスルッとユウマから抜けて彼の背後のナイフを手で止めた。

「……!?」

「へ?」

 驚愕する男二人と、変な声を出したマオ。

 僕はそのナイフを握り砕いた。ちょうど、ユウマが僕を見るタイミングで。

「……お前、クロなのか?」

「君がそう名付けたなら僕はクロだよ?」

 僕は男を回し蹴りし、男は勢いよく飛んでいく。

 彼に振り向いてようやく実感したけど、目線が違っていた。

 手を見たら、まるで人間のような形の中で、爪は鋭く、出し入れできるようになっている。太くも細くもできた。

 足も人間みたいだった。だけどなんとなく狼の時みたいに早く走れる自信があった。

 胸は………まあマオと互角かな?

「おま……マジで別人なんだけど!」

 立ち上がったユウマは目線が一緒だった。それが、今の僕らの距離でもある。

 僕はユウマを抱きしめた。

「ちょ、クロ!?」

「……守るよ、ユウマ」

 僕は心から思うことを続ける。

「守るよ、絶対。……君を泣かせる全てを殺して、ユウマを、マオを、守るよ。…僕を救ってくれた恩返しを、一生をかけて」

「救ったって、俺、何もしてねーよ」

「ううん……君は僕の誇るご主人様だよ」

 彼は少し困った顔をしたけど、今度は頭をポンポンとして、

「……だったら、女の子の前で泣く無様を晒し続けるわけにはいかないか」

 僕らは離れ、ナイフの男を見る。

 喉はやられたまま、ただナイフで戦うことしか考えていない。

「……僕に任せて」

 そういい駆け出す。

 男は大振りにナイフを振るが、明らか悪手。

 僕は渾身の蹴りをぶつけると、そいつはナイフどころか腕を吹き飛ばしていた。

 声が出ないからこそ叫ぶ声すらならず、そのまま僕はそいつの頭にかかと落としをくらわせた。



 _________________________________



「……残るはあなただけ」

 ボクは目の前の男に向ける。

 まさかクロが人化するとは思わなかったが、何よりこれでユウマへの危機はさり、ボクはこの男と決着をつけないといけないようだ。

「ならもう一度テイムすれば––––」

 とかざす手を蹴り飛ばそうとしたが、その前に何かに弾かれたかのようにその腕は上に跳ねた。

「なに!?」

「……僕の主人はユウマだ」

 無表情なクロが、すでに男の背後に回っていた。

 そして同時に、ボクとクロがなにをするか、互いに理解した。

「……いくよクロ!」

「……やるよマオ」

 互いに拳を握る。そして––––


「『インパクト・ナックルウウウウ!!』」

「『コクロウケン』!」


 互いの拳が輝き、瞬間で展開された防御魔法を貫通し、腹の部分を挟み撃ちこんだ。

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