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「……おい、大丈夫なのか?」
「へへ、あの動物ならどうにかできるっての。《ビーストテイマー》なめんなよ!」
木々に隠れ、城を眺める三人のうちの一人が自信を持って笑う。
「あいつ、ステータスに【幻獣】ってでたんだ。ちっこいくせにステータスもデケーし」
「……まあ、あっさり壊滅してくれれば私はいいんだけど」
と女は短刀を拭きながら興味なさげに呟く。
「おいおいリーン、俺らは魔王を討ち取らないと帰れないんだぜ? 早いに越した事ないだろ?」
「そうかナイト? 俺からすればここに残って選り取り見取りな生活が送れそうで帰りたくねーな。ほら亜人がかなり多いし、みんないい体してるだろ?」
「相変わらずゲスね……私は帰るわ、こんな世界。魔物ってすごくキモいもの。ついつい殺してしまって血が飛ぶと嫌じゃない?」
「リーン、そういうお前が一番討伐数上なんだよ。まったく……ガイもそういうことはあまり堂々というな」
「なんだよ釣れねーな。……てかリーン、お前確か百合でロリコンじゃなかったか? あの魔王の娘、俺らから見てもかなりいい方だと思うが?」
「そこなのよね、困ったのは………ツノ折って殺したって言って私だけのお人形にしようかしら」
「やめてくれ。俺らはその首がないと達成したことにならないんだ」
「わかってるわよ」
三人それぞれ、各々の力に自信を持ち、典型的な転生主人公という立ち位置に興奮すると共に、欲を吐き出し合う。
曇天の空は、今にも雨が降りそうだった。




