「宿敵」をトモと呼ぶ 3
「で、勝敗は?」
「僕!」
「わん!」
「ついてないってか……いいから飯にしようぜ?」
「うん!」「ワン!」
ようやく終わったのか戻ってきたフリスビーは完全にボロボロだった。……これイディオで一点物なのに。
ボロボロフリスビーをしまい、シート一杯に料理を置く。
「わー!」
「立ってねーで座れお前ら」
特にすごい物を作ったわけじゃない。食材が多少違うが肉じゃがとかハンバーグとか野菜炒めとか、まあ色々普通なものだ。
だが、彼女たちは俺の分まで食い尽くしたのだった。
「…ゆう、ま?」
マオと犬は恐る恐る俺の表情を見て、そして後ずさる音が聞こえた。
俺はもう、怒りを超えて涙が出てきた。前にも言ったじゃん、『餓死』は嫌だって。すなわち空腹だって嫌だって事を。
「…もーいーよ」
笑いつつも膝を折って地に伏す俺は、もう色々と達観していた。
ああ、こいつらといたら俺はもう飯食えないんじゃないか、と。
「はは……はははは…」
渇いた笑いがこだまする。
何が一番タチ悪いって、それはこいつらが旨そうに食うから、俺は怒りたくても怒らないのだから。
だから、俺はそのままゴロンと転がって、爽やかな風に当てられてふて寝した。




