うちゅう人の独り言 会社 同僚 【本の 中は、ファンタジー世界】
・・・癌って、言われた…
わたしは、厨二病患者、罹患率100パーセントの中学2年生です。
読書が好き、おもにラノベ、恋愛ものも読むけどね、ヒロイックファンタジーが、好きなの異世界に旅立てるのよ、ふつうは、頭の中だけの世界ですけど。
部室の門をくぐる、普通部室って、開いている教室を使いますよね、ですが、わが部活動は、専用の部室を持っているのです、それというのも、ここは、異世界の入り口ですから。
教室で在ろうとお昼休みであろうと、流石に授業中は控えますが、部室では、もっと一杯読めるし、まるでその世界に降り立ったような感覚で、本の中の世界のキャラクターたちと一緒に冒険したり、怪我したり(何故か、剣で切られると、そこから血が出たりするカットバンや包帯は、常備部室に有る、わたしが、副部長なのよ、そういう必要なモノを経費で落とす事が出来る立場な分け)
「あっ、また切られたんですか、うまく回避して下さいよ、先輩」
包帯を持ってきてくれた、後輩の 源幸行一寸変わってる名前ですが、女の子です。
「分かっては、いるんだけどね、此処は、洞窟の中で、あまり広くないのよ」
申し訳ないと思いながらも手当されながら、言い返す。
「まて、其の洞窟って、磯の大洞窟だよな」
部長の 関野ひろ子が、思い出しながら、言う。
「そうだけど、奥の方で、ラスボス叩いた後に現れた、隠し通路よ」
わたしは、「包帯ありがとね、幸ちゃん」と言いながら、部長に向き合って話す。
「ちょっと貸して、そんな通路、有ったか、大分読み込んだのだがな」
「はい、此処よ、このページよ」
「有るな、何で、わたしは読み落としてしまったのだろうな」
「せんぱぁーい、よみこんでぇーいますかぁー」
間延びした声で、図書委員の 瀧光子が、部室に入ってくる。
「どうでしたぁー、改正版のぉー、読みごたえはぁー」
「改正版だとぉ」
関野ひろ子が、驚いた表情で、口にする。
「そぉーですぅーよぉー、この物語はぁー、うちの姉がぁー、作者なんですぅーねぇー、まいったことにぃー」
ラノベ著者、瀧路、内科医にして、他にもいろいろな著書を出す、コラボニストである。
「スッゴク面白いよ、此れまた売り出したら良いのに」
いろいろな執筆活動で、部費を稼いだ先輩方の一人、うちの部活は、学校から一切補助金出ていないのです。
「よてぃーなしぃー、ここでぇーよんでぇー、ほしいぃーんだってぇー」
あまりに、間延びしているので、あたまわるそうにみえるけど、此れでも学年首位、不思議だ。
「売り出さない、なんと、ぜいたくな、しかし、流石、この部活の創設者様だな」
そうです、この部活を作ったのは、光子の姉の瀧路医師でした。
経歴、瀧路女史は小、中、高等学校を飛び級で卒業して、医学大学に入り、卒業後医師免許を所得、其の後、やり直したかった中学生活に戻った時には、既に医師であるから、保健室の先生より上の立場、校長や教頭先生もやり難かったに違いない、しかし、彼女は、そんな目も気にせず、後輩たちを導くが如く、ヒロイックファンタジー部を作った。
「せんぱぁーいぃ~、何所ぉ~まぁ~でぇ~、いっぅ~ちゃっ~たぁ~んぅ~でぇ~すぅ~かぁ~」
光子ちゃんが、わたしの腕を掴んで、ゆする、傷口が開いて、血がにじむ
「半分説明ありがとうございましたってか、ぶっ飛び過ぎだって言ってんだぞ」
幼馴染の 鏑崎紫煙が、慌てて別の包帯取りに行った幸行を見送って、磯嵐裕紀に、言った。
磯嵐裕紀が、わたしの名前よ、紫煙とは、生まれた時から、一緒、病室も保育器も家は、隣の地区だけど。
幼稚園と小学校6年間では何故か隣の席、両親同士が、遣ったり取ったり、つまり親戚、わたしの父と紫煙の母が、兄妹、紫煙の父とわたしの母が兄妹、父達は、昔からの親友(共に腐れ縁って言ってた)それに紫煙は、わたしの初めてのおとこかなって、事故なんだけど。
□ 誘拐事件 □
小学校3年の時わたしと紫煙は誘拐された。
下校中、学校の門を出て少しして、L字路を曲がってすぐの空き地に不思議な格好をした人たちが居て、幾人かの小学生と話をしていた、そのうちの一人が、わたしたちの方に駆け寄って来て、いきなり腕をつかんで、銃のような形をした注射器で、右肩に【プシュ】っと、意識が朦朧として、気絶してしまった、落ちかけの意識をたどると、紫煙も共に【プシュ】とされていて、他の子どもたちは、散り散りに逃げていた様だったが、不思議な格好をした人たちは、わたしたちだけが、対象だったのか、他の子を追い掛け回さず、紫煙に麻袋の様な物をかぶせ、わたしもかぶせられた。
身代金目的の誘拐なのか何をしたかったのか分らなかった、容姿は、外国人としか思えなかったが、言葉が通じない様だったのだが、縛られて、痛い、痛いと叫んだら穿いていたパンツを脱がされて、口に詰められて、足の内腿に何か注射された。
紫煙は、当身を食らって、気絶しているみたいだった。
□□ 何か在ったのよ □□
突然、鳴り響くサイレンの音、誰かが、窓を叩き割った様な音、建物に複数の誰かが踏み込んで来た音。
『大丈夫だ、二人とも所在は確認できた』
スピーカーの様な機械的な声、抱き上げられる、浮遊感。
『犯人確保』と、男性の声。
『お子さんたちは、このまま救急搬送されて、検査ののち帰宅となります』と、女性の声。
意外に揺れる、救急車、頭が、ぼぉっと、成って霞が、掛かっている様な感じがした、なんだか眠気が、急におとづれる。
見知らぬ天井、とは、行かなかった、ここ自分の部屋じゃん。
どこまでが夢、何処から現実、隣には、裸で寝ている紫煙がいた。
つい、下半身が気に成って、自分のと紫煙のを触ってしまう。
紫煙が、起きた、びっくりしている、自分のアレを触っている、わたしを見て、それからこちらの布団に入ってきた。
「発情期なのか、鎮めてあげよう、其の侭じっとしていて」
紫煙が私に覆いかぶさってきた。
わたしは、目をつぶって、じっとしていた、紫煙が、何時まで経っても触ってこない、わたしは、紫煙を握っているのに、びくびく動いて、ドックンドックンしているのに、その先がない。
「どうしたの」紫煙を見ようと目を開けると、紫煙の目が、ドアの方にくぎ付けに成って固まっていた。
「誰かいるの」わたしもドアの方を見て、同じく固まった。
『大丈夫みたいですね、使われた薬は、催淫剤でしょう、このまま観察を続けます、どうぞ、続きを行ってください』
無機物の様に観察キットを以て、カメラと連動させながら、話す、捜査官だと思う人が、こちらを伺いつつ観察していた。
「紫煙はやくして、身体がつらいの頭、死んじゃうから、で、無ければ、お姉さんでも良いから、助けてよ、身体が変なんだよ」
紫煙は、まだ固まっていたが、わたしは、続きが、ムショウにしたい、だれが見ていてもかまわない、身体が疼く、切ないほどに。
「えっ、出来るわけないじゃん、皆見てるし、裕紀の親たちもそこの陰から、こちらを伺っているはずだし」
紫煙のは、既に萎えていた。
□ 確かに、在ったのよ □
今日は、瀧 路先輩の会社の人が、訪問に来るらしい、実際に動いている、この状態の確認とか、律儀だなぁ。
路先輩も来るのかと、思っていたら、光子が、「いそがーしーいーし、めーんーどーうってぇー、言ってた」
と、間延びした、瀧路先輩のしゃべり方をまねて、回答してくれた。
「面倒って、もしかして、人体実験のモルモットなの、わたし達」
今更ながら、気づくの遅いよ、関野部長。
「人体実験の可能性なんて、初めから、有ったじゃねぇか、それでも、楽しかったんだろ、その物語がよ、ビブリオ中毒者の誉れ(ほまれ)じゃねぇか」
紫煙、半分うそぶいて、半分笑いながら、少しからかい気味に、関野に言った。
「そっ、そうですよ、紫煙先輩の言う通りですよ、部長は、忘れていらっしゃいますけど、副部長は、知っていたみたいですもの」
源幸行が、急いで、帰ってきた、包帯と止血帯を山ほど背負って。
「どこかに山籠もりですかな」
つい、言ってしまった、紫煙は、幸行に、じと目で、見られた、後輩の視線なのに意外にきつい、口は、禍の元である。
「関野部長、そろそろ、瀧路先輩の会社の方が、到着するのではないですか、この仮部室まで、ご案内を申し訳ないのですが、お願いできますでしょうか、わたしは、残りの部員とと部屋の整理をしておきますので、よろしくお願いします」
「お客様の迎えは、部長の仕事、他の雑用は、副部長のわたしの仕事ですから」
「それでは、部長、少しゆっくり余裕を持った、感じで行って下さい、職員室に挨拶も忘れないでね、今日は、珍しく、理事長も来校との事でしたので、挨拶忘れないでして下さいね」
強めに言わないと、忘れるのよ、あの人、耄碌したのかしら、なんてね(笑
「私は、そこまで、耄碌してないぞ、しかし、心遣い感謝する、逝ってくる、また、職員室で、嫌味言われるんだろうけどな、理事長に直訴でもしようかな、教職員の質と常識の改善を要求するってな、ついでに顧問の給料アップもナンてな」
「麗ぇ~子ぉ~先ぇ~輩ぃ~、まぁ~だ、こ~なぁ~い~なぁ~」
「あの車じゃないかしら、ちょっと、仰々しいトラックだけど」
「でぇ~すぅ~ねぇ~」
内の高等学校の校門は、他の高等学校より遙かに大きい、時々運動部関連の大きな大会が在る為、大型バスやテント設置の資材を運ぶ為に、校門が広く大きい、それにしても、場所を知っているが如くに奥の駐車場に進んでくる、一台の大型トレーラー。
荷台には、プレハブ?
「なんか、持ってきたな、新しい部活動用の部室だったりしてな」
◇車内にて◇
「着いたのかしら、だいぶ遠かったんですけど、会社出る時は、そんなに遠くないって、言ってませんでした、先輩」
「そんな事、言ったかしら」
「わたしも聞いた、麗子は、近所って言ってたのに、何で、母校にそれに聞いてなかったわよ、後ろの物体を運ぶなんて、大型トラックって、聞いていたのに、アレにだって、プレハブ位、積めるのに、これは、大型トレーラーだ、交通規制させてまで、運ばなきゃならないなんて、先導車両の方々にもお礼言わないと、なんでこんな仰々しい事になったの」
「ヒロミも細かい事は、いいのよ、後輩ちゃん、サイドオペレーターありがとね、そういえば、部活の後輩が来てるって、瀧路女史から連絡あったよね」
「れぇ~えぇ~こぉ~せぇ~んぅ~ぱぁ~いぃ~」
やたら近いのに、まるで、遠くから聞こえてくるような掛け声が聞こえてきた。
「まさか、瀧路女史関連か」
麗子のこめかみに一条の汗が流れる・・・冷や汗である。
「妹ですよぉ~」
身なりは、似てない、麗子は、ふっと、ため息をつく。
「あぁっ、あせったぁ~」
「ナニ、焦ってんのよ、麗子らしくない」
「あの先輩苦手なんだわ」
「麗子にも苦手な先輩が居たのね、見てみたかったわ」
「ロミは、直ぐに剥かれて、解体されると思うよ、いろんな意味で、危ない人だったから」
「先ほどの通報騒ぎの元の人ですね」
「そうなのよ、頭のネジが、人より不思議な形をしていたはずなのよ、絶対に」
「三つ又ネジとか、反動ネジとか、反転ネジなんていう変わり種の様な感じの頭の構造なのかしら」
「三つ又ネジ?そんなの有るのか?」
「言葉の綾よ、そんなの有ったら、発表されているわよ、用途も在るようですし、一個で済むのであれば、原材料も掛からないし、コストダウンに成るじゃない、わたし、創ろうかしら」
言いながら、頭をかしげて、考え込むヒロミ。
「あっ、用途在ったわ、振動系荷電粒子砲の制御盤取り付けネジとして、使えるわ」
「何それ、訳の分からないもの作らないでよ、瀧路女史と言う、言葉だけで、感化されないで」
「先輩、それ、わたしも加わりたいです、詳しく教えてくださいませんか」
「後輩ちゃんも、乗らないで、ロミ真面目におしごとよ」
「「はぁ~い」」
したいことして、暮してくださいだって。
生きているうちに書きたいなぁ。