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うちゅう人の独り言 会社 同僚  明日こそ火曜日のはず

何時までも続く、その日、何時に成ったら、次の日に成るの、と、偶に思う。


 「きれいだよ、ヒロミ」


 遠くからささやくように聞こえる声、【だれ?】わたしは、ぼぉっとして、辺りを見渡す。


 暖かな、霧に包まれ、周りが見えない、ふいに腕を掴まれるが、嫌な感じがしない。


 その腕に沿って、自分のもう片方の手で、相手の体を触ろうとするが、届かない、チョッともどかしい。


 「そのまま、そのまま」


 声がまた聞えた、誰かに抱かれている感じがする、胸やおなかの下が、もやもやするが、嫌な感じがしない、でも、出来れば、貫いてほしい。


 「よじらないで、うつぶせのままよ、そう、そのまま、そのまま、からだのちからをぬいてね」


 ああっ、いじってほしい、もっと強く、なぶってほしい、めちゃくちゃにして・・・


 声に成らない声を出したつもりなのに、相手には、分かったのか、力強く腕を自分の身体の方に引き寄せてきた。


 しばらくの間、愛撫とも蹂躙とも思える、狂乱が続いた後、ふと目を開けると、其処に麗子が居た。




 「あれ、あたし、とりっぷしてた」


 ぼぉっとしながら、麗子に問う。


 「久々よ、会社休んだの」


 と、髪を掻き揚げ乍らベッドの上で、下着姿で、言う。


 「ええっ、きょっ、きょうは、げっつようび」


 「そうよ、昨日あの後、久しぶりにトリップしてたから、そのままに出来ないと思って、わたしも会社休んじゃった」


 「ごっ、ごめぇ~ん、麗子、この埋め合わせは、そのうち、精神的にしますので、どうかご容赦を」


 「良いわよ、幼馴染だもの、それに久々に堪能できたし、ロミは、道具使わなかったんだね」


 「道具って、何」


 「これよ、しってるでしょ」


 「ピー君ね、それは、振動式それとも回転式、振動式は、肩もみ器として、持ってるけど」


 「これは、回転振動式、凄いよ、試してみる」


 「いっ、イイや、其処まで必要に成るか分からないからって言うか、もしかして、今回使ったの」


 「それは、もう、この世の喜びを通り越して、天界に上り詰めるかと言う勢いで、喜んでましたもの、おほほほほっ」


 「そっか、使ったのか、それを覚えていられないって、何てことなの、わたしの身体なのに」


 「そう、悲観する成って、ロミは、両性だから、その感覚がある、他の人より二倍から四倍楽しめる」


 「二倍は、解るけど、四倍ってナニ」


 「受けと攻めの攻守交替が、出来る、ジゴロだな、または、スケコマシとも言う」


 「両方同じ意味だよ、感覚的には、出来るかもだけど、そう言えば、とりっぷした時、わたし、おかしなこと言ってなかった」


 「『お姉ちゃん、たすけて、抱いて、つらぬいて、滅茶苦茶にして、夢の中で良いから』って、言ってた事ぐらいかな、ってか、ロミ一人っ子だよな確か」


 「やっぱ、言ってたんだ、そうじゃないかなっては、思ってたけど、それね、半分本当の事なんだ」


 「はんぶん」


 「今の生活の場、と言うか、この世界では、わたしに姉妹はいないの」


 「それで」


 「トリップする様になってから、別の世界の自分に成る事が、出来る様に成ったの」


 「それは、思い込みではないの」


 「初めは、わたしも思い込みだと思ってたんだけど、別の世界で色々な事していたら、こっちの世界にも影響が出始めたので、どこかでつながりのある世界だと思ったんだ」


 「影響って、何か有ったか」


 「大きな存在として、真盛の叔父様しか、うちの会社で上司に在ってないのよ、そんな事って、在り得るの、それに、うちの会社って、確か入社した時は、総合商社だったはずよね、今は、何、ナンの会社なの」


 「真盛の旦那しかいない会社だったら、当たり前だろう」


 「違うのよ、入社式には、『会社全体で1600名の社員が居ます』って、言ってたのよ、それに他の部署の男子も居たし、それが、今は、うちの課だけしかない、保険医入るのにね」


 「そこに何の疑問が、出るのかな、会社全体で多くても、部署を他のビルに移す事も在るし、うちの課だけが、今の場所に在ると考えたら、何も不思議は、無いけどね」


 「保険医が、うちの課の隣の部屋に居ると言う事については、どう説明するの」


 「それは、簡単、ヒロミが居るから、貴方の事を思って、他の部署も別のビルに引っ越したんじゃないの」


 「えっ、わたしの為・・・」


 足先から、ひえが登って来て、太ももを冷やし、手の先から血の気が失せ、身体が冷えて行く、がたがたと震えがきて、自分で自分の体を強く抱きしめて、うつろな眼差しで、麗子を見る。


 「そうだよ、貴方の為に全部変っちゃったんだよ、わたしたちの部署も何もかも」


 麗子は、愚痴を吐き出し気味に言う、その時は、既に着替えが終わっており、出社の準備をしている。


 「わ、わ、わわたし・わ・た・し・の・た・め」【ぶぢっ】言葉のろれつの回らなさを感じながら、意味なく文字を廻して、首の血管が破裂した音を聞いて、気絶した。



□◇ ◇□



 「早く、起きないと、ヒロミ会社遅れるよ」


 乳姉妹の麗子が、起しに来る。


 「うっ、変な夢見た、麗子が、会社の同僚で、頼子とのんべいして、路女子とも仲良くなって、経理部で、仕事しているヘンな夢」


 ぼぉっとしながら、ろれつが回らなく、ぼんやり呟いていると、麗子が、「はい、ばんざいして」と、言って来たので、力なく、万歳する。


 上パジャマをセット脱ぎさせられ、ホットタオルを渡された。


 「早く、顔拭いて、よだれってるよ、あんまりだらしないと、写メ取って、みんなにまわしちゃうぞ」


 「いやだぁ、うぅぅん、伸びのびぃ~いっ、拭くから取らないでぇ」


 顔を拭きついでにわきの下や体をふく、歯磨き化粧、ぱんつもぬぎぬぎして、交換、はい、新品「ありがと」


 下着を受け取り、着替え、薄ピンクのブラウスの上にショートジャケットの制服を着る、紺色のタイトスカート、黒のストッキングを穿く、パンプスを履いて、できあがり。


 「ホント、どっちがお姉ちゃんか分からないね」


 麗子の兄ちゃんが言う、うちは、一人っ子だから、姉妹の事は、解りません。


 幼馴染で、生まれた時からいっしょ、乳兄姉妹だし、オーダー違いの従兄妹だし、殆んど兄妹。


 如何して、わたしみたいなのが出たのかと言うのは、どうやら、そう言う家系らしい、それも、両親ともに同じことを言っていた、それが、麗子の家の方には出なくて、わたしに出た、不憫だと言われたが、楽しみが増えたから良いって答えておいた、まさか、生理が、あれほどひどいものだと言う事を知らなかったから。


 子供の頃は、女の子で育ったが、中学校時代に上級生から弄られたことで、少しの間、男性不信に成り、しばらくしたら、男に成った。


 高校は、一部男女共学の男子校だったが、授業中高2の時に生理が始まり、死んだ。


 あれは、間違いなく死んだと思った、急に寒く感じて、風邪でも引いたのかと思っていたのだが、鎖骨と首の間の腫れ、胸の痛みと腫れと言うか乳輪が大きくなり、胸が出た、アンダー80トップ110A~B、お腹の下と言うか、膀胱の後ろ背中腎臓のチョッと上の鈍痛と下の激痛が、始まり、さらにP・V・AのVから血液が駄々洩れ、自分の座っている椅子と床を血貯まりにした。


 騒然となって、其の後は、見知らぬ天井、身体検査、実験サンプル、血液サンプル、生殖体のサンプルの接種の後、帰宅。


 父と母が、叔母さんと叔父さんが、麗子兄妹を連れて、部屋にお見舞いに来た、其処で、如何して、こうなったのかを家系図と照らし合わせて、説明してもらった。


 結論は、出ませんでしたが、自分なりの結論を申し上げますと、前世の自分が、悪いと言う事に成りました。


 □ それは □

 

 当時、その村では、疫病と飢饉があり、人口が激減し女は、実の姉しか居らず、健康な男は、わたししか、居なかったようで、絶家回避のために、姉弟で子作りしたと云う事でした。


 それが、原因で、血が濃くなりすぎて、いづれは、異常者が出ると、家系図の詳細に書いてありました。

 

 それって、わたしのせいなのと、思ってもみましたが、前世の事ですし、完全時効ですもの。


 □ そう云う事 □



 設計図のエラーですし、頭は、一つですが、身体的には、二人いると言う事らしいです。


 元々、異常免疫症でしたし、血は、濃すぎて、普通の採取(直ぐに使用すると言う事で、検査は、出来ます)も保存も出来ない、傷口は、見てる間に治る。


 せめて、言いたい、【女装男子にこの28周期の呪いを捧げると】ホントに、大変なんですよ。


 だから、思う、この世の女子は、偉いと、普通の女子であれば、初潮を迎え生理が、始まります。


 あの苦しみが、ひと月ごとに遣ってくる、妊娠と上がりを迎えるまで。


 ぼくというか、わたしは、死ぬまでって主治医の先生から、言われましたけどね。


 □◇ ◇□

 

 「何時まで、トリップしているの、早く起きなさい、そうやって、グズグズする、悪い癖だよ、現実に戻りな」はい、キンキンに冷えたタオル。


 「ありがと」タオルを受け取って、顔に当てる、切れたと思った首筋に当てると、生暖かいナニかに触れた。


 「あれ、切れてるじゃない」周りを見渡す、血貯まりに座る、わたし、ゾッとした。


 「はい、貴方は死んでいない、如何、これで大丈夫でしょ」部屋の入り口で、雑巾とモップそれに付随バケツを持って来た。


 「血、剥がすの手伝って、と言うか、貴方の血じゃない」はい、と言って、雑巾とリムバーを寄こした。


 わたしの血は、乾きやすい、異常なまでに、血貯まりも既に乾き始めている。




  











一週間が、長かったり、一年が、あっという間だったりしてませんか、それは、貴方が、別の世界にトリップしているかもですよ。

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