【プロローグ】
これは超天真爛漫アイドルユニット-Au-の物語のプロローグとなるお話。
「………」
緊張感漂う部屋には2人の少年がいた。1人は銀髪でクセのあるウェーブのかかった髪の少年。もう1人は黒髪でストレートの髪の少年。2人ともキラキラした衣装に身を包み、目を閉じていた。銀髪の少年ーー霰と、黒髪の少年ーー烏兎は、-Au-(アゥ)というコンビを組んでいた。いわゆるアイドルというものだ。
2人は各々立ち上がり、緊張をほぐす為かストレッチや、鏡の前で髪のチェックをしだした。
まもなく関係者と見られる男性が部屋に入り、2人を呼んだ。
2人はいつにも増して緊張していた。ステージ裏に向かって歩いている途中も緊張はほぐれなかった。いつもなら2人で話をして心を落ち着かせるのに、今回は2人は一切話さなかった。
今回のライブでは、他にもユニットがいたのだ。-Au-のライバルユニット、-Cw-(チヮ)、-蜘蛛-(クモ)の2ユニットである。-Cw-は-Au-が結成当初から競い合っていた良きライバル。-蜘蛛-は-Au-より先輩に位置するライバル。今回のライブはこの3つのユニットで、どのユニットが1番、客の支持を受けたかを競うという意向のもと行われていた。
-Au-の2人はステージ袖で出番を待っていた。霰も烏兎も深呼吸をする。
「うとちん」
「あられん」
霰と烏兎は互いに名前を呼び合う。
「僕達は僕達の最高のステージを描く」
霰が烏兎の手を握る。烏兎も霰の手を握り返す。
「僕達は鳥籠になんか籠らず、たくさんの人に笑顔を届ける」
烏兎が霰を見て優しく微笑んだ。霰も烏兎の笑顔を見てホッとしたのか笑顔を見せる。
「-Au-のお2人、出番です…!」
袖で待機していた2人に忙しく走り回る男性が声をかけた。
ステージの向こうには何千万の人々とたくさんのライト。-Au-の2人は笑顔を浮かべ、ステージに上がる。
大好きな人々へ、大好きな歌を届けるために2人は歌うーー。
-Au-【プロローグ・終】
皆さん、初めまして!豊橋朱雀と申します!この度はこの小説を読んでくださりありがとうございます!
次作として他にも物語として小説を書こうと思っていますので、そちらもお読み頂けると嬉しいです!