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やがてリアルは黙示録  作者: 幾刃 傾奇
第一篇 「初まりの始まり」
2/5

#2

_前回までのあらすじ_


 逃げる。



**********



 逃げろ。逃げろ。

 アレが・・・化け物が追ってくる。

 俺は一介の普通の男子高校生だ。

 あんなのは夢か幻想に違いない。

 白昼夢に違いない。

 追われる、追うの関係が永遠に続く。

 俺は全速力で逃げる。

 後ろからは、化け物蜘蛛が追ってくる。

 カシャ、カシャと蜘蛛の足がアスファルトと接触するその音が最早、恐怖となっている。

 

 筋肉がパンパンになる。

 もう限界だ・・・・・・っ!!!


 ガシャンと大きな音を立てて、自転車が転ぶ。

 俺は見事、ペダルを踏み外して自転車ごと転んだのだった。


 見事なる、幕引き。

 自分でも思う。哀れでチンケな最期だったと。

 俺は思う。短い人生だったと。

 でも、俺はまだ死にたくない。

 だからちょっとぐらい最後ぐらい見っともないぐらいにジタバタとモガイテモいいじゃないか。


 俺は蜘蛛と対峙する。

 喧嘩はしたことないけど、とにかく暴れる事と念じた。


 蜘蛛は悠然とゆったりとした余裕の面持ちで来た。

 余裕なのだろう。全然焦らない態度が滲み出ていた。

 

 というか、何故だろう。

 俺を狙う理由は何なのだろ?

 俺は特別、一般を逸脱した人間ではない。

 平凡な人間だ。


 でも、俺を狙っているのだろう。

 カシャ、カシャと足とアスファルトの接触とは違う、今度は牙を鳴らして俺を威嚇している。

 

 「うおおおおっ!!」


 俺はらなければられると思い、襲いかかる。

 がしかし、蜘蛛が口から糸をはく。


 粘着力が強いと糸だったらしい。

 俺は簡単に足を取られた。

 そして蜘蛛に抱きあげられ蜘蛛が空を飛んだ。


 蜘蛛は並み以上、最早異常と呼べる跳躍力でとんだ。 

 そのまま蜘蛛は急降下した。俺を下敷きにして。

 うそだろ!?

 ああ、俺は死ぬのか・・・

 思えば俺の人生って案外つまんなかったな・・・


 「ぬおおおおおっ!!」


 んなことであきらめられるか!!

 っくそ!!固く閉じられててビクともしない。


 「こなくそおおお!!」


 ふと下を見ると女がいた。

 誰だ!?


 女は手を上げると女の掌に光が宿る。

 そのままその光が蜘蛛の体を撃つ。

 

 ってちょっと待てええええ!!

 落ちるううううううう!!


 「うわああああああ!?」


 落ちると思い顔を両方の掌で覆う。

 だが少しも痛い思いをしなかった。

 代わりに柔らかい感触が俺の体にきた。


 おそるおそる見ると、女が俺を抱いていた。

 しかも、処遇「お姫様抱っこ」というやつだ。


 「ど、どうも・・・」


 「ふぅ、よかったよ。間に合った・・・」


 恥っ・・・俺、恥っ!!


 「助かった。ありがとう。えっ・・・と・・・」


 「ん?いや、ボクの方こそ、ありがとう。君のおかげで土蜘蛛を倒せたんだ。ボクの名前は「八雲やくも 飛鳥あすか」だ。君は?」


 「おう、俺は「無月なしづき 大和やまと」だ。よろしくな、八雲さん」


 「あぁ、ボクの方こそよろしくね。無月くん」


 八雲さんは、とても美人だ。

 こうも、お礼を言われると照れるな。

 ホントに可愛いな。・・・好きかも。


 っておーーーーい!!俺!!

 何考えてるんだ!!

 

 周りを見ると景色が除々に崩れて言った。

 なんだあれ!?


 「!・・・急いで、この空間からでないと!!」


 「へっ!?なんで?」


 俺は質問するが無視され、真っ黒い裂け目の中に彼女は向かっていった。

 俺をお姫様抱っこしながら・・・


 「あの・・・恥ずかしいんだけど・・・」


 「う・・・わあああ!?あ、ああ、すまない」


 互いが顔を赤くしている。

 うわああああ、恥ずかしいことだらけだ。


 そして、俺たちは黒い裂け目の中に飛び込んだ。

 


 

 

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