午前六時四十六分、暇
旅行先で友が起きず、暇を持て余している。
朝散歩にしては早いし、朝のバイキングの為にお菓子を貪る訳にもいかない。
しかし携帯はもう飽きた。
携帯に飽きる日が来るとは思いもよらなかった。
しかし、旅行先で暇だというのも贅沢かもしれない。
家に帰ったら旅行先で暇を持て余していたのをいい思い出だと解釈するかもしれない。
妙に達観している自分が少し癪に触る。
時刻は午前6時46分
暇を持て余すどころか暇に包み込まれているような気にさえなってきた。
7時から朝バイキングなのでも少しの辛抱だ。
学生の頃は、暇な時には勉強をしろと母に言われたものだが、社会人が勉強することは無い。
暇だ。
やることが有り余っていたあの頃に戻りたい。
いやでも暇な時は普通に暇だった。
そんなことを思いながら7時になりそうな時計を見ていた。
カチ、カチ、カチ。
少しずつ暇な時間が終わる。
七時になった。
これで暇な時間が終わった。
少し寂しいが爽快感の方が勝っている。
私はとんでもないことに気づいた。
別に7時になって彼が起きる保証は無い。
一人バイキングは嫌だ。
彼は寝ている。
前日の川が響いているのかもしれないが
大の大人達は少しだけ足を水につけた後、岩の上に寄りかかりポテチを食べて、
隣で暴れているゴールデンレトリバーを眺めていたので疲れる要因がない。
……8時になるまで私は一体何をしていたのか思い出せない。
最初の頃は旅行初日に酒に酔って百均で買った中身が飛び出るマヨネーズおもちゃを永遠とカチカチしていた。
あのマヨネーズをここまで有効活用したのは私だけだ。
社会人になっても突発的な旅行について来てくれる彼には感謝しなければならないのは十分理解しながら、彼にデコピンした。




