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刀魁乱舞  作者: 神崎玲


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プロローグ

 鳴長元年四月二十八日。

 一人の罪人が断頭台に頭をのせられた。

 衣服は薄汚れた布切れである。

 名は湊という。

 数多もの民衆がその罪人を見て罵しり、物を投げた。

 執行官は言う。

 「最後に言うことはあるか?」

 罪人は口を開かなかった。

 「断罪せよ」

 罪人の首は刃に触れ、木の桶に落下した。

 民衆からは歓声が響いた。


 あの悲劇から十年の月日が過ぎた。

 この国は良くなり始めている。

 処刑された皇帝から女帝に代り、法から民の家屋まで整備を今もなお進めている。

 凪は最初こそ皇帝が処刑されるなどありえないと思っていた。

 皇帝は民の不満があろうものなら、ねじ伏せてしまうのだろうと思ったのだ。

 

 以前の皇帝は民を思いやる素晴らしい皇帝だった。

 民のため、多くの財宝を売って家屋の修繕費にあてた。

 いつからかその善良な心は消え失せ、女遊びと賭け事に夢中になり、民の不満が募っていった。

 

 そして、事は起こった。

 鳴長元年四月二十五日。

 民衆の一揆により、皇帝はあっさり捕らえられた。

 二十七日には斬首刑が決まった。

 この一連の出来事は「鳴長の治」と名付けられ、語り継がれることとなった。

 

 女帝は民の力に怯えていた。

 もっとも、今回の騒動で非常に避難されたのは賭け事をしていた事よりも、女遊びをしていたことである。

 なぜならば、民衆は女が六割、男が四割であったからだ。

 割合が多い女性は当時の朝廷に不満を抱くものが多く、やがてそれが破裂した。

 一揆も女のほうが数は多かった。

 よって、女帝は法を改定した。

 具体的には女を彩女、男はを迦男と名付け、身分を定めた。

 もちろん彩女が身分では上である。

 更に、彩女にのみセグメントを設けた。

 セグメントとは簡潔に述べると彩女の階級である。

 高いものから一、一番低くて五十という非常にわかりやすい仕組みである。

 セグメントは彩女同士で戦闘をすると勝敗によって上昇したり低下したりする。

 

 セグメントを設けた理由があった。

 それは戦力の増強と一揆防止であった。

 セグメントが十以上のものは朝廷の戦力となるよう、兵役の義務がある。

 

 そしてセグメントが一になると今の皇帝が何でも一つ願いを叶えるそうだ。

 この制度によって彩女は皆、刀を持ち、剣技を磨いた。

 型を学び、勝つために舞い踊った。

 彩女の間では師弟関係なるものが徐々に形成されていった。


 凪は旅をしていた。

 剣技を学んでいた師がとうとう忙しくなり、凪に構ってくれなくなってしまったからだ。

 凪はただの迦男である。

 彩女に出会っても目もくれなさそうな見た目に、特別何かが優れているというわけでもない。

 ただ、師匠が自分に情をかけてくれたというだけの人間である。

 通常、迦男は剣技を学ぶことが不可能なのである。

 学ぶ金も迦男は十分にない。

 加えて、良い師も相手にはしてくれない。

 なぜならば剣技を学ぶ大半は彩女であったからだ。

 その点、凪は色々恵まれていたというべきであろう。

 両親を持たない凪にとって師は、自分を拾ってくれた恩人であり、剣技を教えてくれた先生である。

 

 そんな師に常に言われていた言葉があった。

 「相手が誰であろうと負けてはならない。お前は私の弟子であるから、私以外に負けたらお前はもう私の弟子ではない」

 そんなきつい言葉を言う必要がありました?師匠。

 あなたが鍛えてくれたのだから、誰にも負けるつもりはありませんよ。

 

 ふと寂しくなって思う。

 師匠は今頃何をしているだろうか。

 大好きな剣技で舞い踊っているだろうか。

お読みいただきありがとうございます。

本作は和風がテーマのバトル小説です。

今回はプロローグとしてこの世界の世界観や歴史について書かせていただきました。

気に入っていただけたのなら、ぜひ本作完結まで見守ってもらえると嬉しいです。

投稿日は不定期ですので気長にお待ち下さい。

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