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赤松天翔物語①  作者: 姫笠
第二章 西国の覇者

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第九話 それぞれの戦い④

赤松家本陣―。

 官兵衛は地図を睨みながら、険しい表情で呟いた。

「吉川隊、小早川隊、村上水軍……毛利の主力は出てきている。しかし毛利の国力を考えば総勢2万はいるはず。あと1万はどこへ消えた……?」

 その時、伝令が駆け込んできた。鎧の肩で荒い息をつきながら、声を張り上げる。

「申し上げます!姫路領内の小領主達が次々と寝返り、反乱軍を引き連れ姫路城へと迫っております!」

 官兵衛の表情が険しくなる。

「しまった……隆景に調略されておったか」

 さらに、別の伝令が駆け込んできた。血相を変えたその顔に、ただならぬ事態が浮かんでいた。

「申し上げます!姫路城を守る政秀殿が寝返り、姫路城内へ反乱軍を招き入れております!」

 官兵衛の瞳が大きく揺れる。

「なに……!」



 姫路城正門前―。

 反乱軍の将が、余裕の笑みを浮かべながら馬上で声を張った。

「これはこれは政秀殿、ともに毛利に付くとは我ら同様、先見の目がある様子!さあ、城門を開けられたし。」

 城壁の上から、政秀が答える。

「今開ける。茶でも用意するゆえ、あとはゆっくり戦いを見守るといたそう」



 赤松家本陣―。

 桜が駆け寄り、焦った声を上げる。

「官兵衛……政秀が城門を開けちゃったって」

 官兵衛は拳を握りしめ、深く息を吐いた。

「はい……姫路城が落ちた今、我らの退路が断たれたことを意味します」


 その瞬間、前方のふもとから突如、土煙が上がった。無数の兵士たちが波のように押し寄せる。

 軍の規模が吉川隊、小早川隊をはるかに上回っている。

 こちらへ真っすぐと進んでくる黒い波。無数に閃く毛利家の家紋を染めた旗。

 あれが毛利軍の本隊であることは明らかだった。

(赤松軍、宇喜多軍の主力を抑え込んだ吉川隊と小早川隊。後方攪乱を狙う反乱軍と村上水軍。

 すべては今、この本陣を毛利軍本隊で押しつぶすための布石であったか……。)

 官兵衛は悔しさを滲ませ唇を噛んだ。

「政秀殿が殿を裏切るはずがない。必ず訳があります。」

 官兵衛は顔を上げ、続けた。

「私が政秀殿を説得します。まずは目の前の敵に当たりましょう。」

 桜は緊張した面持ちで頷いた。

「うん……」


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