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滝、生徒会長になる

それから数ヶ月――

異界騒動も落ち着き、季節は静かに巡り

滝は、何事もなかったかのように――

順調に学生生活を送っていた

授業、部活、友達との日常

ときどき(?)妙な気配を感じたりはするが、

それでも彼は、あくまで“普通の中学生”として過ごしていた

そして

ついにその日が来る。

体育館。

全校生徒が集まる中、壇上に立つ一人の少年

背筋を伸ばし、堂々とした姿

マイクを握り、胸を張る

「この度――」

滝が、力強く宣言する。

「第○期、生徒会長に就任しました、蒼山滝です!!」

滝のクラスの一部から、

「「「わあああーー!!」」」

と、ひときわ大きな拍手が起こった

「おおー!滝ー!」

「会長すげぇ!」

「唐揚げパン頼むぞー!」

だが、それ以外の生徒たちは―

ぽかん。

「……蒼山?」

「え、あの蒼山って……」

「なんか聞いたことある名字じゃね?」

滝は胸を張って、清々しい気持ちで階段を降りると

上級生組がヒソヒソ

「ん? なんか話してるな?」

と滝が耳打ち

「ん?」

滝は足を止めた

「なんか話してるな?」

そーっと、耳を近づける

完全に聞く気満々

「もし本当ならさ……」

「ちょっとヤバくね?」

「だってあの“風の――」

滝はにんまり、と上級生組に肩をぽんぽん

「もしもし? 僕がどうかしました?」

と笑ってない笑みで話かけると、硬直する

「え、あ、いや……!」

「その、会長……!」

滝は首をかしげる。

にこやかに、でも目は笑っていない。

上級生組を廊下に連れ出す。

「今さ、“風の”って聞こえたんだけど」

「なんの話?」

「い、いやその……!」

「ただの噂というか!」

「気にしないでください!」

滝はふうん、と、それは…能力者のことか?

と考える

「僕はね!まだ修行中なの! まだあーんなに雷バカみたいに目立たないの!! あれは規格外!!そう、規格外!!」

上級生たち、完全にフリーズ

「……雷バカ?」

「規格外……?」

滝はうんうんと満足げに頷く

「そうそう」

「青髪でバチバチしてる人」

「空からドーンってくるやつ」

滝は真顔で言った

「オレの知り合い」

上級生たちが顔を見合わせる

(なんかヤバい人と繋がってる……?)

 ひとりが恐る恐る聞いた

「えっと……その人……」

「普通の人、なのか?」

滝は少しだけ考えて――

「うーん」

「普通じゃないな」

「だよなぁ!?」 

「でもさ」

「いいやつだぞ」

 その一言で、空気が少し変わる。

「オレらピンチのとき、ちゃんと来てくれるし」

「なんか文句言いながら助けてくるけど」

「ちゃんと最後まで面倒見てくれるし」

滝はちょっと笑った

「だからまあ、大丈夫だよ」

上級生たちはまた顔を見合わせる

「……それってさ」

「もう完全に“ヒーロー”じゃね?」

滝はくすくす

「ああ、ヒーローさ」


離れた場所で、純はくしゅん!

「あー、誰か噂してんな」

純は相変わらず高校生活

でも、午後はヤンキー集団“武龍会”で過ごす

小声で呟く。

「……滝」

ぽつりと、誰にも聞こえない声で続ける

「滝……司令官。

俺、ちょっと寄り道するわ。

それまでに強くなっとけよ」


滝の幼なじみ智嬉は

相変わらず滝を傍で見守り

「まーた、上級生にからかわれてやんの だからあれ程高望みすんな、つったのに」

「ま」

ポケットに手を入れて、ゆっくり歩き出す

「それでもやるのが滝なんだけどな」

遠くで、滝の声が響く


「だから無理だって言ってんだろー!!」


学園生活は今日も賑やか。 END


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