第4話〜魔法の基本のキ〜
〜授業前の女子更衣室での会話〜
女生徒A『昨日のツルギ君かっこよかったよね』
女生徒B『ほんとほんと、私もダブルだけどツルギ君に勝てる気しないもん』
女生徒Cポケー
女生徒A『あの娘、確か昨日の騒動の時にツルギ君の後ろにいた娘だよね』
女生徒B『そうだそうだ、ってあの娘トリプルだ』
女生徒A『トリプルも惹きつけちゃうのか〜、はぁ〜、競争率高そうだなぁ』
運動服に着替えて運動場に出ると既に先生が待っていた···が、その先生はよく見知った顔だった
『はい、ちゅ〜も〜く魔法実技担当のレイ·アトラス·ランドよ、よろしくね』
そう先生が自己紹介した瞬間クラスの視線が一斉に俺に向く
『···何やってんだ愚姉』
『何って教師よ愚弟』
そう、この赤髪褐色金眼の一見キリッとした美人系だがその性格は親父に習って豪放碧落な彼女は俺の姉の『レイ·アトラス·ランド』その人である、ちなみに属性の名を冠しているのでしっかり当代一のシングルランドである、ちなみにその胸は平坦であったストーン
あと補足として言うと家の家系はどうも父の血がよく出る様で姉弟みな赤髪褐色金眼である(ちなみに俺も赤髪褐色金眼だ)
『さて、とりあえず今日は魔法の基本のキ、想像力を鍛える授業よ』
そう言って指をパチンとならす姉、すると運動場の真ん中にあるステージにカカシがせり上がってきた
『これは切断魔法練習用の的、皆にはこのカカシを斬ってもらいます』
ザワザワと生徒陣がざわつく
『んじゃお手本、ツルギ、こっち来なさい』
『へいへい』
『はいは1回』
『へーい』
『伸ばすな!っととりあえず、皆に手本を見せなさい』
『スパッとやっちゃって良いのか?』
『一応今は生徒と教師の立場なんだから敬語を···っと説教は後ね、スパッとやっちゃって良いわよどうせカカシは何体もあるし』
『了解っと』
さて、スパッとやれと言われたがとりあえずお手本となる訳だし生徒全員に分かる形のが良いか、技名はっと
『アクアアクス』
高水圧の水流を高速回転させた斧の様な形で形成する、『斧』と言いつつその実態は『丸鋸』である。
『よっと』
作り出した斧を振り下ろしカカシを頭から両断する
『はい、ありがとうツルギ、さて生徒の皆もなんとなく分かったと思うけど、魔法の基本のキは想像力よ、さっきツルギがやったみたいに『切断』するという形を自分の属性で描き出すの、ちなみに極まってると、ツルギ、もう一回カカシの両断お願い、『道具の形を作らずにね』』
『はいはい、了解』
手から高水圧の水を噴射させながらカカシを手刀の形にした手で両断する
『はい、ありがとう、こんな感じに道具の形を作らずに切断する事も出来るわ、まあ、まずは道具の形を作り出す所から始めましょう、皆、想像力を働かせるのよ』
そして生徒達は思い思いに自分の属性で切れる形を作り上げていくそれは『剣』であったり『斧』だったり中にはナイフというか『包丁』の形で作り出す生徒も居た、そんな様子を見ながら姉が話しかけてくる
『想像力の鍛錬欠かしてなかったみたいねツルギ』
『そりゃそうだろ、シングルの生命線だぞ想像力』
『だよね、でも想像力で言ったらアンタが家でも飛び抜けてるんだよねぇ』
そら、現代人生1周した後だからな、とは言わないでおく
『しかしアンタも初日からやったわね』
『何が?』
『ダブルの子の心を圧し折ったでしょ?その圧し折られた子登校拒否してるし』
『あら?やり過ぎたか?』
『いんや、むしろ良くやった、よく居るんだよねぇ、家がシングルしか出ない家系なのを舐めて高圧的な態度に出る馬鹿、そういうのは大体お父さんのプレッシャーにやられて失神する事が多いんだ』
『伊達で『一焔大公』の名を王家からいただいてないからなぁ』
想像した武器をカカシに叩きつけ霧散する属性の魔力に首を傾げている生徒を見ながら姉は続ける
『ま、アンタはとりあえずこの学園生活でなんとか友人関係を作りなさい、アンタの技量はとっくに学園卒業級なんだから、学力テストだけ落とさないように』
『へいへい、友人作り苦手なんだよなぁ』
授業後学園長室
『一焔大公の息子はどんな感じだ?』
『既に非凡な才能を見せています、こちら今回の切断魔法の授業に使われたカカシです』
『ほう、なんと綺麗な切断口だ言われなければ高学年のウィンドの生徒の物だと思う程だ』
『これを1年生、しかも切断が不得手なアクアの生徒がやったのだから一焔大公の育成力は疑いようもないな』
『次の『アクア』の名を冠するのは彼かもしれませんね』