⭕ うわさ④ 駄菓子屋 1
私が6年間通っていた小学校の近くには駄菓子屋さんが在ります。
その駄菓子屋さんは、学校帰りの子供達が寄り道する程に大人気の駄菓子屋さんです。
私も小学校の帰りに立ち寄っては駄菓子を買っていた1人でした。
今からする話は、子供達から大人気の駄菓子屋さんに関する “ うわさ ” です。
その駄菓子屋さんには不思議な “ うわさ ” が有りました。
深夜過ぎに駄菓子屋さんで駄菓子を買うと『 異世界行きの切符を貰える 』と言う “ うわさ ” です。
1万円以上も駄菓子を買わないと『 異世界への切符 』は貰えないらしいです。
貴重な1万円を駄菓子だけに使うなんて贅沢は出来ないので、私に実行する気は無いのですが──、本当に駄菓子を1万円分も買ったら『 異世界への切符 』を貰えるのでしょうか??
抑、深夜過ぎに駄菓子屋さんが営業しているのでしょうか??
駄菓子屋さんから『 異世界への切符 』を貰い、異世界へ旅立った人は居るのでしょうか??
「 ──皆さん、オッハりん★
オカルティYTBの “ ハートン ” でっす★
未だ、日が変わって無いけど、オッハりん♪
えぇ~~今回は──、深夜過ぎに駄菓子屋さんで1万円以上の駄菓子を買ったら、本当に “ 異世界への切符 ” を貰えるのか?
──って言う “ うわさ ” がマジもんなのかを検証したいと思いまっす★
流石に1人では怖いんで、今回も心強い助っ人に来てもらってまっす★
オカルトライターをしている再従兄に泣き付いて同行の依頼をしてもらいましたぁ~~~~。
どうぞ──、お出ましください!! 」
「 前置きが長いんだよ!
全く…… 」
「 今回の助っ人は何と──、オカルト業界で超絶有名な少年陰陽師の春舂霄囹先生でっす!!
皆、盛大に拍手してくれぇ~~~~。
春舂先生も陰陽師として動画配信してるんですよね。
オカルトファンで未だ視聴してないユーザーさんはチャンネル登録ヨロシク★ 」
「 はぁ……。
僕は別に番宣してほしくて受けた訳じゃないぞ。
僕はYTBじゃないから、チャンネル登録数に拘ってない。
さっさと現場に行くぞ 」
「 あ、はい~~。
春舂先生、今回は有り難う御座います。
まさか本当に受けてくださるなんて──、感激でっす!! 」
「 フン…。
マネージャーを説得するのが大変だったんだぞ 」
「 マネージャーさんの許可が必要なんですね……。
えぇと──、ファンから届いた手紙と “ うわさ ” の駄菓子屋さんへの地図です。
此が実際の駄菓子屋さんの写真ですね。
この地図は小学校から駄菓子屋さんへ向かう為の地図みたいですよ 」
「 何だよ。
小学校まで行く必要があるのかよ。
歩くなんて面倒だな 」
「 でも、夜道を散歩するのも良いんじゃないですか?
オレは春舂先生が居てくれるので怖くないですよ★ 」
「 フフン。
僕の前では異形だろうが怪異だろうが、赤子の手を捻るより簡単だぞ!
瀕死状態にしたら名前を奪って僕に忠実な式隷にしてやるから安心しろ 」
「 流石ですね、春舂先生! 」
「 そう言えば、お前は “ オモ ” と知り合いだったんだな 」
「 オモ?
あぁ──、“ お漏らしパイセン ” の事ですか?
心霊スポットの生配信をする時に同行してもらえないか依頼した事があったんですよ。
再従兄のコネですね★
今回も “ お漏らしパイセン ” に来てほしかったんですけど──、盲腸の手術をする為に入院中って事で断られちゃったんですよね~~ 」
「 ふぅん。
それで僕に話が回って来たんだな。
そう言えば、痔の手術は成功したのか? 」
「 あぁ、それは大丈夫そうですよ。
御世話になってるんで、ドーナツクッションをプレゼントしましたよ 」
「 ──此処が小学校か。
此処から南に向かうのか。
──もう直ぐ0時に変わるが、本当に営業してるのか?
抑、この手紙の送り主は40年以上も前の事を書いている訳だろ。
駄菓子屋なんかとっくの昔に潰れてるんじゃないのか? 」
「 ……それを言われると………… 」
「 ちゃんと駄菓子屋が潰れずに営業してるのか確認はしてるんだよなぁ? 」
「 ………………い、いえ……してません…………すみません…… 」
「 何だと?!
下調べをしてないのか?
全く──、ふざけてるのか?
僕は暇じゃないってのに! 」
「 すみません……。
でもでも、折角ですし、最後まで付き合ってくださいね! 」
「 帰らせてくれ…… 」
◎ 訂正しました。
何とか──、─→ 何と──、