✒ うわさ⑥ 時渡りのおばはん
今から私が話させて頂く内容は──、私が以前まで勤めていた職場で聞いた “ うわさ ” です。
私が職場に勤める約40年程前に、1人のパートさんが行方不明になったそうです。
その日は、タイムカードがスキャンされていて、間違い無く確かに出勤されていたそうで、他の店員さん達── 正社員さん,パートさん,シニアさん,バイトさん ──の目撃証言も有ったそうです。
きちんと退勤時のスキャンもされおり、記録は職場に残されていて──、退勤する時に挨拶を交わした社員さんが何名も居たそうなので、帰宅したのは間違いなかったそうです。
次の日に欠勤され、その次の日も欠勤され、無断欠勤が続いたそうです。
そのパートさんが暮らしている実家は、徒歩で15分程の場所に在ったそうです。
上司の方がパートさんの自宅を訪れた時、御家族の方が出られて『 自宅には帰って来ていない 』と言われたそうです。
御家族は職場へ出勤したまま帰宅しないパートさんの捜索願いを1週間後、近所に在る警察署に出していたそうです。
近場の職場へは徒歩ではなく自転車で通勤していたらしく、通勤ルートで自転車や荷物の捜索,目撃証言や情報収集が行われましたけど、何も見付からなかったそうです。
パートさんの御両親との話し合いで、何時帰って来るか分からないパートさんは、退職する運びになったそうです。
御近所には親戚も何軒か在り、捜査の手伝いもされていたみたいですけど──、1週間が経っても1ヵ月が経っても行方不明となったパートさんとは連絡が取れず、帰って来る気配も無かったそうです。
パートさんが行方不明となってから約40年後──、行方不明だったパートさんが自宅に帰宅したそうです。
その時のパートさんの容姿は、職場へ出勤した当時の容姿と全く変わっていなかったそうです。
そのパートさんの話では──、何時も通りに退勤のスキャンをしてから、自転車に乗って自宅へ帰って来ただけ──と言っていたそうです。
通勤する道も何時もと同じ道を自転車で走っていたそうで──、職場からはほんの5分 ~ 10分一寸の時間、時間を漕いでいただけ──との事です。
約40年振りにパートさんが自宅へ帰宅した時間も20時40分前で──、退勤後に店内で買ったと思われる商品とレシートがパートさんの証言を裏付ける証拠となったそうです。
買われていたのが食べ物だったそうですが、定期的に自宅へ訪問されていた刑事さんの機転で、食べ物とレシートは重要な証拠品として押収──提出する事になったみたいです。
パートさんは渋ったり、拒否したりしたそうだけど、結局は残念そうな顔をして、買い物袋とレシートを刑事さんに渡したそうです。
40年前にパートさんが勤めていたスーパーで買った商品が食べれる状態で40年後に存在していたら、そりゃ没収されちゃいますよね?
40年もの歳月でスーパーの経営者が変わって、スーパーの名前も変わっていて、40年前のスーパーのレシートが綺麗な状態で40年後に存在していたら、そりゃ没収されちゃいますよね?
パートさんが自宅に帰宅したのは、40年後の7月11日だから、レシートに印刷されている日付は、40年前の7月11日なんだから、そりゃ没収されちゃいますよね?
行方不明となっていたパートさんが自宅へ帰宅してから既に40年も経っていた事もあり、当時75歳,70歳だった御両親は亡くなっていて──、40歳目前だった弟さんも80歳となっていたそうです。
性格に少々難が有った弟さんは、結婚する事が出来たらしく、子供を3人も授かれた様です。
両親も念願叶って跡継ぎの息子が結婚し、死ぬ前に念願の孫を抱く事が出来て嬉しかった事でしょう。
弟の婚期が遅くなったのは、実家に居座り続け、寄生していた姉の私が原因だったのかも知れませんね。
何はともあれ、私が行方不明になっていた40年の間に弟が家庭を持てて良かったと素直に思います。
跡継ぎの男子が3人も居てくれて、畍名家は安泰ね★
私の大事なコレクションちゃん達が見当たらず処分されたと勘違いして、80歳の弟に大人気無くガチギレをしてしまったけど──、離れの2階── 母が使っていた部屋 ──にちゃんと残してくれていたので安心しました。
命の次に大事な漫画,ゲーム,CD,グッズ,DVD,アニメ雑誌──が残されていた事に対しては、弟と今は亡き両親に感謝しています。
因みに現在は、40年前と同じ様に実家で暮らしており、弟の息子──3男と同居しています。
弟の嫁さん──私の義妹は車で約20分程の病院に入院しており、自宅には弟と3男が共に暮らしている状態です。
長男は20代で結婚をしており、畍名家の長男でありながら、跡取りの居ない長女と結婚し、向こうの養子となり、お嫁さんの実家の跡継ぎとして暮らしています。
2人も弟が居るから、「 実家は弟のどっちかに任せた 」という事なのでしょうか??
次男も既に結婚しており、奥さんと子供さんを連れて仕事の転勤先である海外で暮らしをしています。
次男の姓は “ 畍名 ” ですが、お嫁さんの御両親から「 姓を変えて婿として一緒に暮らしてほしい 」と猛烈なアプローチを受けていたらしく、お嫁さん共々 「 これ幸い 」と言わんばかりに直ぐ様海外へ飛んだんだとか。
お嫁さんの御両親は自分達を介護してくれる相手が欲しいらしく、”障碍児の息子《お嫁さんの実兄》の世話もあばよくば変わって欲しいと強く願っているのだそうです。
もしかしたら、次男夫婦はこのまま海外に移住して、日本に帰国しない気でいるかも知れません。
私が産まれ育った家ですし、「 出てけ 」と言われても困ります。
すっかり歳上となってしまった弟の介護要員として、入院中の奥さんの代わりに主婦業を行い、家族を支える事を条件に住まわせてもらっている感じです。
こんな奇妙で不可思議な体験をした日本人は、そうそう居ないと思っていましたけど──、実際には意外と存在するみたいで驚きました。
弟の息子──3男がオカルトに興味が有る子で、私みたいに奇妙で不可思議な体験をした人が集まる会を教えてくれたんです。
3男の将来を心配に思いつつ、私が体験した “ 嘘の様な実話 ” を【 小説家でいこう 】に投稿させて頂きました。
私が体験した奇妙で不可思議な経験は、日本全国に存在している細やかな “ うわさ ” の一部でしかないみたいです。
“ 時渡りの◯◯◯◯ ” という “ うわさ ” を聞いたら、私の体験を思い出して頂けると嬉しく思います。




