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優しさは案外伝染しない

私は許せなかった。

あの子を選んだ王子にも、王子に選ばれたからと言って断れない弱いネロにも……

私が一番イラついているのはそこだ。

だが、それを口に出すことは私には出来なかった。

ネロは本当は強い子だと私は知っている。

だから私はあの娘を部下へと選んだ。

そう。

ついてきた子達とは違う。

ついてきた子達は私を憧れ、心酔しついてきた子達だ。

だがネロだけは違う。

私からスカウトした三人のうちの一人

もう一人の公明には断られたが、彼がネロを選んだ時、彼の観察眼には驚いたし、同時にチャンスだと思った。

彼ならネロを変えれるかもしれない。


ネロは境遇からか自分を卑下する所があった。

でも彼女の本当の力は私なんかじゃ叶わないレベルだった。

そう思ったのは彼女を初めて見たときから感じていた。

それは入学してから間もない頃だった。


「うーん やはり部下は一人は欲しいですわね……」


私が部下を求める理由

それは好きに動かせる子がいない。

これに尽きる。

別に彼女たちについて悪く言うつもりがない。

命令すれば多分したがってくれるだろう。

だが彼女たちは私の強さに心酔しすぎている傾向がある。

だから命令をやりすぎる危険性があるのではと、

例えば私のために敵が居たとしよう。 

それを排除してと頼めばどうなるか……

ただ少しの怪我を負わせることが目的なのに彼女たちはどのレベルまでやってしまうのか……

それが怖くて自分で動くしかないというのが現状だ。

私の強さにもこういうとき嫌になる。

どうするか考えながら食堂から外を見ていた時、それは起きた。


「にゃ~ん」


猫の声が見ている方向から聞こえてきたのだ。

でも私が見ている方向には木しかない。

これはまさか……でもそんなベタな展開

私が木を注視すると


「にゃ~ん」


やはり木から猫の声が聞こえている。

登って降りられなくなった仔猫

どこかの小説で見たような展開だった。

いや……今の時代 

三流作家でもそんな展開はかかないだろう。

だがそんなベタベタな展開が現実でも起きるのだなと少し笑ってしまう。


「にゃーん!」


笑った私を見て猫は怒ったのか

声をあらげる。


ごめんごめん

笑ったお詫びに助けにいってやるかーと思い

私は紅茶の料金を払って、中庭へと向かう。

目的の木に近づいたとき、そこにはもう猫がいなかった。

誰かが助けたのかなと思いながら一応影になっていて気づかなったとかは嫌なので、木に近づく。

近づいたとき私は驚く。

木の上に傷だらけのネロがいたのだから


「……どうしたの?ここにいた猫は?その怪我はなに?」


私は訳が分からなすぎて疑問を一気に言ってしまった。

それを聞いた彼女は笑いながら


「いやー、猫を助けようと思って木を上ったのは良いものの自分猫に嫌われやすい体質なのを忘れてて、抵抗されてこのザマです。あ、猫はちゃんと下ろしましたよ?」


嘘だ。

忘れていたとしてもここまでの怪我をするまで下ろそうとするだろうか?

普通なら途中で気付いて風魔法を使って下ろすだろう。


「なんで風魔法を使わなかったの?」

「それも考えたんですが猫ちゃん突然浮いたら暴れて落ちちゃうかなって。」


「あなたねぇ、ここは魔法を教えてる学校であれはマジックキャット……はぁ」


「あ!そうだった!?」


この子、

優しいというか馬鹿というか……

優しい……欲しくなったかもしれない。

この子の優しさが皆に広がれば……


「あなた私の部下にならない?」

「へ?あたしなんかが!?」

「あんただから欲しいのよ」



それが彼女との出会いだった。

でも優しさの拡散はネロがあまりにドジで卑屈すぎて無くなったが、私は何度もネロの優しさに救われてきた。

それは政治闘争がメインの貴族達には無いものだ。

私は父から優しさは漬け込まれる弱さだと教えられたが、あたしを救ってくれたあの人が弱いなんて信じたくなかった。

何故ならその人こそ一人目にスカウトした人なんだから


それはおいといて、いまはネロよ

彼女を助けないと、誘ってくれた公明のために頑張ろうとしてるんだろうけど相手は王子よ?

なにか失礼があればあんたの命なんか……私がいくまでなんとか耐えときなさい。 


「ドレスの用意が」

「ありがとう!!すぐに行くわよ!!」


私はドレスの単語を聞いた瞬間に着替え始める。

急がなければ……


 だが時間は30分もたってしまった。

どれだけ急いでもドレスが着にくいことを忘れていた。


私がついた頃にはパーティーは終わった後だったのか。

いるのは二人だけだった。


「なぁーんだ 心配することもなかったわね」


そこには恋する乙女の顔で公明と踊るネロの姿があった。


「ネロ あんたそんな顔も出来たのね」

「悔しいけど服も相まって綺麗」

「愚図なのにあんなダンス出来たんだ。少し見直した」

「恋のパワーでしょ」

「彼のためとして紅茶を教えたら紅茶が上達するかも?」


イビっていた子達にこんな事を言わせるんだから、やっぱりあんた凄いわよネロ

そして公明


「帰るわよ」

「あ、お姉さま待ってー!!」


あぁ、私も踊りたかったけど相手がいないんじゃ帰るしかないかー 

見られたとしったらネロは赤くなって倒れるだろう。

茹でダコみたいなネロなんかみたくない。

それに意中の前には綺麗でいて欲しいもの



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