理由なんて案外適当なもの
まさか彼女をダンスに誘うとは予想外だった。
ネロを勝たせるなら一番話題性がある公明が彼女と踊るべきなのに。
わけがわからない。
だがそれは彼らしいなと感じた。
孤独な存在をほっとけない。
それが彼の魅力でもあり弱さでもある。
そこにつけこめば僕はこの選挙に勝てるだろう。
だがそれは王族の勝ち方ではないとおもうし、救われた私が彼のそこを利用するのは出来なかった。
父上ならどうしていたかな……
そう考えていると彼はダンスの最中で転ぶ。
「ダンス苦手だな……すまないね恥をかかせて」「いえそんな……」
周りが公明にも苦手な事があるのかと笑っている。
だが実際は違うのだと俺にはわかっていた。
社交ダンスを長年やらされてきた自分には失敗したのは彼ではなく忍だと理解した。
それもそのはずだ
忍はダンスなんて習ってる暇はないからな。
だが彼女は下級貴族の体でこの学園に入学し、影ながら私を監視している。
だからダンスの失敗は許されなかった。
それをしってか、女子に恥をかかせるべきではないと思う紳士なのか?
彼ならおそらく後者だろう。
知っていたのなら血塗られた忍者など……本当にそうだろうか?
彼なら知っていてなお、
私を狙う隙をつくるために!?
いや、それはないな。
それが目的なら初対面の時に私の命は終わっている。
こんなことを考えてしまうのも長い後継者争いのせいだな。
すまない友よ
私を監視する忍よ
一時でも君達を疑ってしまった。
お詫びに……
「ダンスいかがかな? 」
「へ!?」
ネロは驚く
ネロのみではなく周りもだ。
王家の私が下級貴族の彼女を誘ったのだ
その反応は当然だろう。
これは本来ならなかったことだ。
敵に王子が選んだ相手という話題性を送るなど。
君の優しさで私のために全てを捨てた忍はいまを楽しんでいる。
それのお礼だ。
だがこれだけでは勝てないのはわかっているよな?
勝利の可能性はくれてやろう公明
一方的な勝ちもつまらんからな
そうトップに立つべきだからわたしはこの選挙に出たのではない。
ただ楽しみたいから出たのだ。
理由なんてどうでもよかった。
ただまた君と戦えるのなら
「カイル王子がパーティーに出ているだけじゃなく、ネロを選んだと!?」
「はいお姉さま!!」
私セルビアは驚く
なぜネロを?
「……いくわよ!!ドレスを用意して!!」
ネロのパーティーには参加してやらないと思っていたがそんなことは言ってられなくなった。
他の候補が出ているのなら私もいかないわけにはいかないでしょう。
今いっても波風が立つだけ?
結構!!
そんな風飲み込んでこっちのものとしてみせますわ!!




