変人も案外考える
「案外肉臭無」
「下処理しておいたからな 案外料理上手いのな。」
侍である如月は指示通りに熊を解体していく、
その手際はよく俺の2倍の速度はある。
不器用そうな喋り方だから苦手かと思っていた。
「失礼私器用侍。」
「悪い悪い。」
ほっぺを膨らまして怒る。
漢字ばっかで話す癖さえなければかわいいんだがなぁ。
「私が料理担当になればよかったかな、でも私料理苦手だし……」
「いやいや苦手だからこそ手取り足取り教えて貰えるぞ 料理下手な王子に公明が手取り足取り教える展開ありだな……」
ネロとルーチェの二人は飾りつけをしながら色々考えているようだ。
一体何を考えているのか。
「す、すみません!!買い出し終わりました!
考えているなか話しかけてしまってすみません!腹切りますぅー」
「待て待て!」
忍の椿は買い物袋を机において短刀を腹に当てて涙目で切腹しようとするのを止める。
こいついつも切腹しようとするな。
「大体こんなもんだろ。」
「うむ、結構綺麗に出来たな。」
飾りつけも料理も終わり準備はOKだ。
そんなときネロが真剣な顔で呟く。
「皆に聞いて欲しいことがある。」
(ついにあれを話すのか?)
ネロが考えていること、この選挙で変えたいことを。
話すことに勇気がいるものだ。
たとえ親友でもその異端の考えを理解できるのか?
話してしまって離れられないかずっとネロは心配していた。
だが話さないわけにはいかない。
それは彼女たちを騙すことになるから。
「なるほど。」
「……」
「理解」
親友の三人の反応は案外冷静だった。
もっと動揺するかと思っていた。
意外だ。
「どう……かな?」
「私は元々異端の騎士だからな。日との考えにとやかく言う資格なんてないがあえて言わせて貰うなら気に入った!」
ルーチェはそう言いながら不安そうな私に抱きつく。
身体はあたたかく柔らかい。
ルーチェの優しさを感じた。
「私はこの国の人じゃないから分からないけどその思想は大事だと分かる。私も侍として友として手を貸す。」
如月はそう真剣な眼差しで答える。
いつもの堅苦しい感じはどこへやら、
でも如月の真剣な気持ちは伝わった。
「……私もついていきますぅー」
そう言いながら椿も少し考え込んで同意してくれる。
もっと考えてもいいのにすぐ答えを出してくれる所に椿の性格も現れていると思う。
三人とも本当にありがとう。
異端の私に着いてきてくれて。
私は涙を流す。
「ネロに涙は似合わないぞ!涙が似合うのは泣き黒子の男だけだ!」
「あわわ!すみません!泣かせてしまってすみません。腹切りますぅ!」
「大丈夫大丈夫」
三人は私を各々のやり方で慰めてくれる。
やっぱり皆変人だ。
私も含めて。




