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ラッキースケベは山の中 海の中 あの娘の服の中。

「パーティーですか?」


 俺は扉を開けてすぐにネロにパーティーを提案する。



「あぁ、パーティーだ。」

「パーティーなんて行ったこと無いですし...」

「俺も無い!興味もない!」


 パーティーなんて何が楽しいのか。

気苦労が多いだけなのに...

一人で部屋にこもって遊んだ方がよっぽど有意義だ。


「ならなんで...」


 ネロは不思議そうな顔で俺に聞く。

尤もな疑問だ。なぜ興味が無いものをわざわざやるのか。

これも勝つためだ。


「ここの奴らは娯楽が少なくて飽きてる。まぁ、王立学校だからしょうがないのかも知れないけどな、でも選挙活動の為なら言い訳もつく。」

「そ、それはそうですけど...」


 ネロは顔を下げながらもじもじしている。

この動作はトイレを我慢しているときか恥ずかしいときだ。


「恥ずかしいか?」

「会長になるにはこれぐらい慣れなきゃこれから何も出来ねぇぞ。」

「そ、そもそも私は会長なんて!」

「嘘だな。お前の目には野心が満ちてる。

野心がなきゃあんないじめ耐えれねぇよ。 」


 俺はネロを見た時野心を持った目を感じたし、

初めてあって君を会長にするって言ったときに困惑はあったが嫌がっている感じはしなかった。


「ば、場所と食べ物はどうするんですか!?私お金なんて無いですよ!」


 もっともだ。

だが金がないなら工夫すればいい。


「場所は食堂を使わせてもらう。」


「食堂をですか?

言っちゃなんですがパーティーって感じのインテリアじゃ...」

「大丈夫!飾り付けすれば何とかなる!道具も用意した。」


 俺は持ってきた布や蝋燭等を入れた箱をネロに見せる。


「り、料理はどうするんです!?」

「材料はこれから取りに行く。」

「取りに行くって何処に??」

「学校の裏の山だ!」


 そう言い俺はネロの手を持って裏山へと向かった。


 

 この山はいつきても良い風が吹いていて気持ちが良い。

俺が少しリラックスしていると震えた様子でネロが話しかけてくる。


「ここ危険地帯じゃ...」

「そうなの?俺サボるためによくきてるけどそんな危険な生物には会ったことねぇな。」

「そ、そうなんですか...」

「そうそう熊とか鳥とか...」

「熊!?それにこの地域の鳥ってクレアバードぐらいじゃないですか!?めちゃくちゃ危険生物ですよ!?」

「マ?俺の村の近くじゃ普通だったけどなぁ」


 俺の村の周りにはワニとかジェネリックウルフとかが跋扈する魔境だったせいか熊やクレアバードは子供みたいな物だと思っていたが、彼女の反応をみるにどうやらこの世界はそんなに魔境ばかりじゃないらしい。

そんな所に転生させた神様になお一層恨みを抱いたのは言うまでもない。


「一体どんな地獄の村出身なんですか!?」


 彼女はそう叫び俺の後ろにくっついてくる。

小さな感触がしたが言うと何が起こるか分かっているのであえて言わない。

別に役得だからとかそんなのでは決してない!


「熊の肉は旨いんだよなぁ」


 俺は倒れている熊の状態を見ながら熊の味を思い出してよだれを出す。


「まさか素手で熊に勝つとは...冒険小説の主人公ですか...しかも熊肉食べるんですか!?臭くて食べられるようなものじゃ...」


 確かに熊は独特の臭みがある生き物だ。

だが別にまずい食材と言う訳でもない。


(この世界の熊はそんなに強くねぇんだよなぁ...環境の違いなのか食べているものの違いかは分からないけど)


 住む環境で獰猛性等が変わるのは前の世界でもよくあったことだ。

この世界の熊は前の世界で聞いていた熊より幾分か弱い。

食べている蜂蜜の影響だろうか...

なら高級な蜂蜜を食べさせたら強くなるのだろうか?

そんな事を考えているとネロが俺の袖を引っ張ってくる。


「考え込んでないでも、もう帰りましょうよー暗くなってきましたし、フルーツもある程度とれましたし。」

「それもそうだな...先に帰っててくれすぐにいくから。」 


 まだ熊の解体も残っている。

流石に解体をこんなロリに見せるのには罪悪感がある。



「怖くて一人で帰れませんー」


 彼女は鳥にも怖がっていたし無理もないか。

まぁ、彼女も高校生だ。

大丈夫だろう。

内の村では高校生ぐらいのお姉ちゃんも解体してたし。


「ならしょうがないか、少し待っててくれすぐ解体するから!」

「解体って...まさか!?」


 彼女は少し青い顔をしていたことに俺はその時気づかなかった。


「先に帰っておくんでしたー」


 彼女は気分悪そうな顔で口をおさえながら後悔しているようだった。


「だから言ったろ?まぁ、勉強になったろ? 」

「熊の解体法なんて学んでいつ使うんですかー」

「それもそうだな!よし完了!帰るぞーこっち持ってくれ。」


 この解体法が案外役立つのはまた別の話。


「臭いぃー女の子にこんなもの持たせないで下さいよー 帰ったらお風呂入らなきゃ...」

「女の子...?」


 はて?女の子なんて居たかな?

俺は周りを見回す。


「殴りますよ!!」

 

 そう言いながら殴ってくるネロ。

もう殴ってるだろうとか言おうと思ったがまた殴られそうなので辞めた。


「冗談だ、冗談。可愛い女の子だよ!」

「まったく...人の気もしらないで...」


 ネロは顔を下に向けながら先に下山していく。

一人で下山怖いとか言っていたのはどこにやら...

俺はネロを追いかける。

「おい待てよー」


「ハッ!何処かで邪気が!」

「ふざけてないでお前も手伝え。」


 私は王子カイルと演説の準備をするため机を運んでいた。

まぁ、机を運んでいるのはカイルで私は見ているだけだが。


「いやいやー 私か弱い乙女ですしー そんな選挙道具運べませんよー」

「足に釘巻き付けてる女がか弱いわけあるか!」


 そう言いながらカイルは怒鳴る。

なぜ気づいたのか不思議だ。

スカートは長めだしチラ見えもしないように気を付けている。

私はおちょくりながら理由を聞いておこうと思った。


「いやーん 足を凝視してーエッチ!いつ気づいたんですかー? 」

「誰が凝視なんかするか!まぁ、お家柄暗器にはある程度詳しいからな...」


 顔を赤らめながらそう叫びかえす。

案外うぶなんだなと好感度が少し上がった。

0.0001だが。

暗器にも詳しいとは

王子っていうのも案外大変らしい。


「嫌なお家柄ねー 」

「俺もそう思う。」


 そう言いながら私は嫌々ながら机を持つ。

所でさっき感じた邪気は何だったのだろうか?

誰が何をしたかまでは分からないのでごっすんしようがない。

思っても見なかった弊害だ。

こんな事なら公明様を副会長にしようとか思わなければ良かった。

でも公明様に出世してもらうには実績は必要だし...

取り敢えずカイルを呪っとこうと思った私なのでした。










※ごっすん=呪う

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