族長
「はい、なんでしょうか?」
「え、す、スライムが喋った?喋る事にも驚きだが、そこまで知性があるとは」
あなたがそれを言いますか、自分の中のイメージがガタ落ちですよ。
「あなたは、ゴブリンさん?」
「お?よく分かったな俺は小鬼だ。お前はスライムだろ?」
「そうですね」
「スライムで知性を持つ者は少ない。住処あるのか?」
「⋯⋯いえ」
「家来るか?」
「良いのですか?」
「ああ。基本弱肉強食だが、助け合いも大事にしているのでな。さあ、こい」
「ありがとうございます」
ズルズル
やっぱり移動速度が遅いのは悩み物だ。
ゴブリンさんの方が速くて追いつけない。
「あ?ああ、すまんすまん。俺が運んでいくよ」
「ありがとうございます」
「良いってことよ」
ゴブリンさんは俺のスライムボディをわしずかみにすると、頭の上に乗っけた。
このゴブリンは自分の記憶のゲームにいるゴブリンと見た目が違って角が生えていた。
小さい角だが。
角が刺さっている感覚がとても気になるが、痛みは無いので良いだろう。
それから数分後、川の上流辺りに着いた。
「よお、帰ったぞ」
「おお!兄弟!どれほど取れた?」
「5日はもつ」
「そうか⋯⋯ん?その頭の物?はなんだ」
「あ?これは知性のあるスライムで会話も可能。住処が無いってんで連れて来た」
「そうか、まあ、スライムは空気中の魔素で生きれるから良いか!族長の元に連れて行け」
「あいよ」
門番ぽっいゴブリンと俺を運んでくれたゴブリンが会話をしてから、雑だが木の門が開けられて中にはいる。
そこは草や木を使った小屋に奥には洞穴があった。
洞穴の前にも門番ぽっいゴブリンが居るのであそこが族長と呼ばれるゴブリンが居る所なのだろう。
「お父さんおかえり」
「おおうただいま」
「フェ!に、人間?」
いや、角が生えているから鬼人か?
「ああ、こいつは俺の娘で上位小鬼だ。ハイゴブリンは人間に近い、と言うか鬼人に近い見た目になるんだ」
「そ、そうなんでか」
普通に可愛い女の子だ。
「行くぞ。と、これは里の皆に配っておいてくれ」
「うん!」
「良い子ですね」
「だろ?」
「はい。それでは、案内よろしくお願いします!」
あの女の子俺の事に関して何も聞いてなかったけど、気が付いてなかったのかな。
それから奥の洞穴の前の門番と会話して、門番が族長の許可を取って、ゴブリンさんと共に入る。
と、言っても洞穴には門や扉と言った物はなかったけど。
「じゃ、俺は後から迎えに来るは」
「え、ちゅっと!」
「んじゃ」
そう言って出て行った。
「本当に喋るスライムなんだね」
「あ、そうですね。はは」
いやいやあなたは、ゴブリンですか?
普通に大人の女性の見た目なんですがそれは?この方もハイゴブリンなのだろうか?
「あ、基礎知識は無さそうだね。私は上位小鬼だったけど、今はこのように大人に成長した事によって鬼になった。まあ、鬼人に見た目は近いが角が短いだろう?そこで見分けてくれ」
「あ、はい」
「まずは何から聞きたい?我々は魔物同士だ。私に答えれる事はなんでも答えるよ」
「はい。まずは、スキルに付いて良いですか?」
「スキル?ああ、スキルはその個体が持つ力だな。色々な経験を積むとスキルとなる。熟練度と呼ばれているかな」
「次は、種族に付いて」
「ここは見ての通りゴブリン族の里だ。この領域にはあと3つ程の里があり、村が所々にあって集落があったりする」
「そんなに森は広いのですか?」
「ああ、とても広いぞ。ここから森の話をしようか?」
「お願いします!」
「分かった。まず──」
この森には大まかに3つの種族が領域、ナワバリとして釘分けしているようだ。
3種は不干渉ではなく、時には協力したりするが習性が違うので別れている。
この森の中心はその種族を纏めるボスが過ごしているようだ。
森の半分がベヒーモスとゆう化け物が率いる龍種や竜種。
森の半分の半分が鬼神が率いる鬼族。
もう半分がフェンリルが率いる狼族。
そして、森には中心から段階的に区切られている。
ピラミッド型グラフが分かり易いだろうか?
まとめ役のボス達がてっぺんでそのしたがボスに近しい種族、その下が中級の魔物達、さらにしたが今俺達が居る下級の魔物達、さらにその下は普通に動物が暮らす森のようだ。
ここを下級エリアとしたら1番したが最下級エリア、1個上が中級エリア、その上が上級エリア、最後のてっぺんが最上級エリアだろう。
龍種が住んでいるエリアはあまり人間が行かないので農作が出来るようだ。
龍種なのに農作ができるのか?
リザードマンやドラゴニュートと呼ばれる人型の魔物がやっているようだ。
魔物は互いに支え合っており、長年生きた龍種からこのような知識は貰うらしい。
下級エリアは何も献上出来ないから崇拝はするようだ。
なんでも一定の崇拝を得ると神になれるので、下級エリアの魔物達は野菜等の食料の変わりに崇拝をするらしい。
下級エリアの基本食は最下級エリアの動物の肉のようだ。
家畜として飼わないのか?と聞いたら。
「そんな技術はない」と言われた。
「敵対する事は無いんですか?」
「あまり無いね。特別干渉する訳でも、無干渉でもない。そうだね?同盟関係と言ったら分かり易いかね」
「龍種だけどうして森の半分を?」
「龍種は個々で強い。管理がしやすいのだろう。お主は何処にも属しておらぬから、濃密な魔素に耐えれるなら龍種が居る森に行く事をオススメするぞ。あそこは人間が来ない」
「覚えて起きます」
濃密な魔力に付いても聞いた。
中心、ボス達が居る所が1番魔素と呼ばれる魔法等を使う魔力な物が濃いらしい。
中心から円形状に広がっているようだ。
下級エリアの魔物達が中級エリアに行かないのはその、濃密な魔素に耐えれないかららしい。
スライムの体はその魔素から出来ていて、特定の所以外は魔素はあるらしい。
濃い所は大規模な魔法を使った場所か、それ相応の強者から漏れ出るか、らしい。
この森は後者に当たる。
「魔法はどのように使うのですか?」
「魔素を具現化するようだよ。私は使えないから分からい」
さっぱりしている。
これもスキルによる物かもしれない。
ちなみにスキルの内容に付いては内容の見方が分からなかった。
スキルの可視化は1度可視化したら出てくるイメージとかとりあえず適当でも可視化出来るようだ。
それから色々と会話をして、とりあえずは住んでも良いと言われたのでさっきのゴブリンさんにお世話になる事にした。
ボス達が下級エリアに降りる事はそんなにないらしい。
漏れ出る魔素の影響で最下級エリアの動物に悪影響だからなようだ。
最上級エリアの魔物達はどうやって肉を食べているのかと聞いたら、凶暴な『動物』を飼育しているらしい。
気になるモノた。