鑑定用魔法器具
「依頼の達成を報告します」
慌ただしさがある程度落ち着いた頃に、改めてギルドの受付に立った。
ダリアが薬草の詰まった麻袋を、受注時に預かっていた依頼の紙と一緒に受付のカウンターに置いた。
「癒草の納品ですね。 拝見します」
ギルド職員はそう言って、懐から何かを取り出した。
柄のついた……ルーペだろうか?
ルーペを持ち、麻袋から出した薬草を丹念に調べている。
「……あの、それは何ですか?」
ギルド職員はルーペを覗きながら答えた。
「登録時の水晶と同じく、魔法器具の一つですね。 正式名称を”鑑定用魔法器具”といいますが、これを通して何かを見ると、予め器具に登録してあるものと一致するかが分かります」
つまり……、自動で照合してくれる図鑑のようなもの、という事だろうか?
魔法器具に自分で登録する必要があるとはいえ、かなり便利そうだ。
……魔法器具って、どのくらい高価なんだろうか。
「……鑑定が終わりました。 確かに癒草で間違いありませんね。 お疲れ様でした」
採取物が認められ、依頼が達成されたようだ。
報酬はもともと依頼の紙に記載があった通り、少量の現金がその場で手渡された。
ダリアと今回の分け前について話し合い、僕は殆ど何も出来ていないと主張したが、最終的にこちらが折れる形で山分けとなった。
渋々僕もいくつかの貨幣を受け取り、荷物にしまっていると、ギルド職員が口を開いた。
「そして、依頼の話ではないのですが……、この度、あなた方には中級冒険者試験を受けていただくことになりました」
……えっ?




