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襲撃
確か、風と光は得意だと言ったが、水魔法が使えないと言った訳ではなかった気がする。
僕の記憶違いだったかもしれないし、そもそも使える魔法の属性が1つ多いくらいで支障はない……と思う。
そんな瑣末な事よりも、助けてくれたことに感謝すべきだろう。
実際、彼女に危機を救われたのは2回目だ。
「怪我はありませんか? 比較的弱い、低級魔獣だったのが不幸中の幸いでしたね……」
兵士の時にも思ったが、やはりあの熊、大したことは無かったのか。
だが、弱いとはいえどもあの体躯に不意を突かれたならば、兵士も僕も、かすり傷では済まなかっただろう。
「……いえ、礼を言われるようなことはしてません。 それよりも……」
ダリアは倒れている熊……、ではなく、その後方を注視していた。
釣られて僕もそちらに視線を向けると、木々の隙間から、昏く光る無数の紅い目がこちらを見ていた。
「厄介な事になりましたね」
今までで一番綺麗な続き方な気がします
改稿(21/12/21)
・ダリアの台詞の表現を変更




