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咄嗟の詠唱
警告する声に振り返ると、僕の少し後ろで、熊のような生き物が真っ二つになって倒れていた。
距離と向いている方向からして、どうやら僕に襲いかかる寸前だったみたいだ。
魔力感知か何かで僕より先に異変に気付き、警戒していたようだ。
あの特徴的な紅い目は……、まさか、僕がこの世界に来た日、兵士たちを尾行していた時にも現れたあの熊の仲間だろうか?
「――間に合って良かった。 この森には、まれに魔獣が出現することを失念していました」
赤い目の熊はひとしきりのたうち回ると、やがてピクリとも動かなくなった。
モンスターと違い、魔石になる様子もないことから、魔獣というのは間違いなさそうだ。
それよりも、今ダリアが詠唱していた魔法は、アクア――、……ということは、水属性の魔法?
……水魔法が使えるだなんて、彼女は言っていたか?
ごめんなさい、気を抜いた途端寝落ちしてしまいました…
改稿(21/12/07)
・題名「例の熊」→「咄嗟の詠唱」
本文の末尾に不備があったため修正
改稿(25/9/13)
・稀に→まれに
・言っていただろうか?→言っていたか?




