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面倒事は
会話はそこで途切れた。
ダリアがダンジョンで探していたのは僕だった。
そうなると、どうして初対面の僕を探していたのかだとか、何故このダンジョンに来ると分かっていたのかだとか、不可解な点が残るが、そこまで踏み込んでいいのかは分からない。
僕がそこに疑問を感じているのはおそらく承知の上だろうが、話を中断したということは、自ら言いたいことではないのだろう。
その事に関して特に問題は無い。
端から不利益は別に無いし、いつか話してくれるでも構わない。
「……何はともあれ、助かりました」
それに、彼女が来なければ危なかった。
ここまでの敵は僕一人でも倒せたが、巨大スライムとその取り巻き達は段違いの強さで、実際、窮地に追い込まれたのも事実だ。
「――いえ、礼を言われる程ではありません。 脅威を残しておけば後々厄介な事になると判断しました。 面倒なのは苦手なんです」
溜め息を吐きながら、そう彼女は謙遜するが、何となく、本心も話しているような口振りだった。




