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ここに来ていた目的
「用事とは、何のことだったんですか?」
今、言葉を濁す意味はないだろうと、単刀直入に訊いてみる。
元の世界に戻る方法を一緒に探す理由は教えられないと言っていたが、こちらはどうだろう。
ダリアの顔を窺うと、困ったように眉をしかめている。
聞くべきではなかったか――、そう思ったが、僕が違う言葉を言う前に、彼女は淡々と話し始める。
「ご明察通り、私は貴方と接触するためにこのダンジョンに来ました。 先日のドラゴン出現日から、この場所に訪れるだろう時期を見計らい、ダンジョン内を散策していたのです」
ご明察というか、特に予想していた訳ではなかったが、しかし驚きもしない。
僕の存在に気付く前、彼女は人か物を探している様子だった。
それが僕であったのだとしたら、色々と噛み合う所がある。
修正(21/08/31)
・誤字を修正




