詰みですか?
そこに居たのは……、スライム?
僕が入ってきた扉の前、つまりスライムとの交戦があった場所、仲間の残骸の中央にそれは佇んでいた。
しかし、近寄ってきたスライムは全て倒し切ったはずだ。
まさか、その残骸の中に生き残りが居たというのか。
焦りからか判断力が低下していた。
スライムをドロドロに溶かすのは失策だったかもしれない……。
不意打ちの衝撃で、僕が警戒していた方の攻撃は期せずして、回避行動をとる前に外れたようだ。
次弾が来る前に、急いで攻撃の被害を確認する。
肩の辺りが濡れているが、どうやらそれはただの水で、出血はしていないようだ。
鉛弾ではなくて液体を高速で撃ち込まれたから、打撲のような痛みが長引く。
魔法の詠唱はさておき、利き手側をやられてしまったので、剣を振るうのは難しいだろう。
ともかく、この状況は不味い。
遠くから挟み撃ちにされてしまっている。
躱すだけなら何とかなるにしても、回避に専念したところで、反撃のチャンスが果たして見えるだろうか。
二匹のスライムへ交互に目を遣って、警戒を続ける。
流れ弾で誤射を誘うのは……、スライムのサイズ的に期待出来なさそうだ。
一方からでも注意を逸らすと危険だが、後ろ向きに疾走だとかの器用な真似は僕には無理だ。
手詰まりである。
ジリ貧になるくらいなら、いっそ思い切って本体に強襲を仕掛けるか――
その時。
スライムの後ろで、広間の扉が音を立て、再び開いた。




