不意打ち
まずは接近戦を挑んで来たスライムから、離れすぎない程度に距離を空け、一定の間合いを保つ。
やがて、遠くに居るスライムが水の弾を撃ち込んでくるのと同時に……、走る!
無論、弾が飛んで来た方向にではない。
弾を回避しつつ、スライムの集団に突っ込んで――
「『フランマ・カタルシス』」
手当たり次第にスライムを焼き払い、とにかく数を減らす。
少し経ったら再度距離をとって、狙撃スライムの動向を伺う。
それが、僕が考えられる限りの最適解だった。
一連の動作を繰り返し、一面は魔石とスライムの残骸だらけになり、残すところ、狙撃スライムの一匹だけとなる。
油断は禁物だ。
あの攻撃は一発当たっただけでも危険だろう。
狙撃スライムが射撃前の予備動作を始める。
その背後の巨大スライムに、依然動きは無い。
戦力を温存しているのか、手札を切り尽くしたのか……。
おかげで狙撃スライムのみに集中できるが、しかしそこに、少なからず感じている緊張感が相まって、さながら時間が引き延ばされたような感覚に陥る。
しっかり動作を見極め……、今だ! ……?
横に飛ぼうとした瞬間、肩に激痛が走る。
何が起こった? ……攻撃?
だが、狙撃スライムは予備動作の最中だ。
というか、後ろから衝撃があったじゃないか。
痛みで身体が熱を帯びる中、辛うじて後ろを振り返った。




