どっちが本当
なんだこの魔法は……。
剣を風化させたのか?
風魔法はその名の通り、風に魔力を載せる魔法だから、視覚では捉えられないのが恐ろしい。
ともあれ、今がチャンスだろう。
武器を失った骸骨に容赦なく斬り掛かる。
その俊敏性を以て何度か攻撃を躱されたが、長剣を再び形成される前に、腰あたりの骨を横断することに成功した。
……斬っても、血とか髄液とかが出ることは一応ないみたいだ。
しばらく地べたで藻掻き続け、徐々に動きが鈍くなり、それからピタリと動かなくなった骸骨は、上と下とで完全に断ち切られているにも関わらず、今まで通り1つの魔石へと姿を変えた。
紫に光るその石を拾い上げ、適当に仕舞い込むとダリアに話し掛けられた。
「それで、元の世界に帰るのでしたよね? 先ずは何をするつもりですか?」
具体的に何をしようか、僕は講義を受けつつ1週間考え続け、ある考えに至った。
「僕より前に来た召環者を訪ねてみようと思います。 何でも、その人も元の世界に戻る方法を探していたそうですので」
師匠に拠れば、前の召環者はこの国の南方の辺境に居る。
残念ながら精確な場所までは分からなかった。
なので、もしかしたらダリアは何か知っているのではないかと思ったが……。
「貴方の前の召環者ですか? でしたら、ここから西の方ですね」
僕の期待は、思いがけない方向に裏切られた。
間に合った
改稿(21/05/11)
僕の前に来た→僕より前に来た




