ダリアの風魔法
黒い骸骨は長剣を横に構え、すぐさま振り抜いた。
壁に衝突した長剣が甲高い音を立てる。
……はやい。
振り抜く速度もさることながら、振るまでの隙も殆ど無かった。
後ろに跳び辛うじて攻撃を回避したが、どう攻めるべきだろうか。
剣でドラゴンと戦い、訓練も受けたとはいえ、たかが1週間程度では素人に付け焼刃でしかなく、剣を持つ相手に剣技で敵う筈がない。
剣の長さでも負けている以上、直接の対面は避けたいところだ。
「少し下がっていてください。 風魔法『ウェントゥス・ジアヴロシィ』」
そんな僕の心中を察してか、離れた所にいるダリアが助け舟を出した。
三者の位置関係を整理しながら、ダリアから骸骨へのライン上から外れ、骸骨からも距離をとる。
敵の方に向かって放たれたその魔法は、一見何もしていないが……。
「良いでしょう。 これであの長剣はもう用を成しません」
しかし見掛け上、相変わらず変化はない。
骸骨もそう判断した様で、再び剣を振り抜いてくる。
避けてばかりいられないと、今度はそれを剣で受け止めようとした。
ところが、骸骨の持つ長剣は、僕の剣に触れた途端にボロボロと崩れ出した。
喩えるなら、石が風化して砂となっていく様なさまだった。
休日はだらけてしまって駄目ですね…
改稿(21/05/04)
様だった→様なさまだった
誤字訂正(21/05/11)




