どちら様ですか
瞬時に振り向き、しかし僕を視認すると徐に距離を詰め出したそれは、道中の松明に照らされ、ようやく全貌が明らかになった。
背丈的には僕よりもやや小さく、子供のような印象を受ける。
だが、着ているのは、……パーカー?
僕の知るそれと酷似しているが、この世界固有のものだろうか。
深く被ったフードが光を遮り、その表情は読めない。
隠しているだけかもしれないが、敵意は感じられない。
しかし、依然距離を詰めてくる。
「……聞いてます?」
翻訳魔石で言葉は通じているはずだが、尋ねても返答は無く、それが歩みを止めることもない。
とうとう、それは僕の剣の間合いに入って来た。
そこで足を止め、僕の顔を覗き込むようにその顔を上げ、遂にフードの中が見えた。
身長相応の幼さが残るが、中性的で整った顔立ちだ。
こちらの世界では珍しくないみたいだが、それでも一般的には『美形』と呼ばれるレベルだろう。
年齢は僕より少し下くらいだろうか。
とにかく、モンスターではないようで、一先ず安心した。
とはいえ、その素性が不明なのに変わりはなく、警戒を完全に解くことは出来ない。
出方を待っていて身動きが取れず、そのまま固まっていると、その子は口を開いた。
「お兄さんも、――召環者ですか?」
区切りを意識した結果この短さです。
サボっていたわけじゃありません!




