ギルド
「戻って来た時の様子こそ変だったが、魔剣を外せていたのは確かだ。 後にも先にも、生きている内に魔剣が離れたのはあいつただ一人。 聞けば、何か分かるかもしれん」
気味の悪い話だ。 だが、手掛かりには違いない。
元の世界に帰ると決めたからには訪ねるしかあるまい。
頷いた僕を見て、師匠は一つ溜め息を吐く。
「召環者のみが装備でき、1度持てば離れず、ようやく取れたかと思えば人が変わったみてえに……、あまり魔剣について詮索して欲しくないというのが正直なところだ」
それは僕も同感だ。
曰く付きという程でもないけれど、何かがある気がする。
魔剣は、召環者とドラゴンとを戦わせる為だけにあるとは思えない。
「それでも、初めて召環者が来たと言われている日から、結構な年月が経った。 ここいらで明らかにしといた方が良いのかもしれねえな……」
話している内に、いつの間にか大きな建造物が前にあった。
3階建てほどの高さで横に広く、窓が沢山あり左右対称に造られている。
さっきまで居た城には及ばないが、堅牢で威厳のある、立派な建物だった。
「着いたぞ。 カラフィート王国国立ギルド本部だ」
……聞くに、長ったらしい名前だが、”ギルド”と言ったか?
何となく分かるが、一応訊いてみよう。
「ギルドとは?」
「ギルドってのは、そうだな、稼業ごとの組合だ。 数種類のギルドが集まった支部が各地にあって、その総本山がここだ」
ここに来ればある程度のことが出来るということか。
「今日はここで、色々な手続きをする。 周知されてるとはいえ、召環者は純粋な国民じゃないから、トラブルに巻き込まれないように諸登録を行う必要があるんだ」
召環者の保護が目的なのか?
僕にとってはありがたい話だが、国側も随分と親身なことをするものだ。
「あまり公の人間が召環者に干渉してるのがバレると不味いから、朝早くに来たんだ。 さあ、ついてきな」
そういって師匠は建物の中に入っていく。
師匠の独断での行動だったのか……。
修正(20/12/12)
・一字下げ
改稿(23/3/7)
・あまり召環者に→あまり公の人間が召環者に
改稿、修正(25/12/12)
・数字の表記を修正
・溜め息をつく→溜め息を吐く




