図鑑
不意に目が覚める。
辺りは静まり返っている。
床で寝ていたせいで痛む背中を抑えながら体を起こした。
首だけを動かし、窓から外を覗いたが、曇っているのか昨日の様な星空の明かりも無く、ただ闇が広がっていた。
この静寂の中、何故か意識が覚醒してしまった。
眠たいのに、これ以上眠れそうもない。
不快な感覚だった。
立ち上がって軽く伸びをした。
部屋にあったはずの照明器具を探しに、足元に注意しながら壁沿いに進む。
そう遠くない場所にそれを見つけ、”点け”と念じながら手をかざす。
するとゆっくりとランタンが光を放ち始めた。
昨夜の授業、『術式と魔法器具について学ぼう(基礎編)』が役立っている。
明かりも点いたので、軽く伸びをした。
ふと思い立ち、部屋の角にある本棚から、適当に一つ本を取り出して、表紙を捲ってみる。
……やっぱり内容が分からない。
書かれてる文字も見慣れないものだし、読み進め方も見当がつかない。
それでも何となく、一ページ捲ってみた。
相も変わらず謎の言語で長文が綴られている。
本のジャンルすら判断できそうにない。
また一ページ捲る。
今度は字と字を点で結んだ文章が何行にも渡って連なっている。
書式を見るに、目次だろうか。
もう一ページ。
片面に何かの動物の絵が載っていた。
もう一方には題名らしき大文字と、その下に細かい字の文章。
ひょっとしたら生物の図鑑だろうかと考えながらまた捲る。
先と同じ構図だが、読めもしない文章ではなく、隣の精巧な絵に目を引き寄せられた。
この絵は……。
嫌という程見覚えのあるものが載っていた。
休日だとかえってやる気が出ませんね
改稿(20/11/10)
読めない→読めもしない




