一息つけない?
街に着くまでは、あっという間に感じた。
というか、ボーッとしていたら、気付いたら街だった。
「ほら、しっかり歩け。 ドラゴンを倒して大陸を救ったって奴がその様でどうする」
……そもそも、僕が来なけりゃアレだって現れなかった。
不本意だったとはいえ、原因を作ったのは僕だ。
マッチポンプというか、何というか……。
先程までの喜びは嘘のように消えていた。
「どうして急にテンション低……あ、お前もしかして、さっき魔力切れしたか?」
城門の前で訊かれた。
”魔力切れ”?
ニュアンスは何となく分かるけれど、関係あるのだろうか。
話を聞きながら城内を進む。
「体内の魔力が足りない時に魔法を無理矢理使うと、怠さや頭痛がしたり、気分が落ち込んだりするんだが、心当たりは?」
そういえば、さっき風魔法を失敗してから気分が悪かったような……。
小さく頷くと、師匠は納得した様子だった。
「そうか。 まあ、一晩寝てりゃあそれは治る。 面倒事は明日に回しとくから、今日はゆっくり休んでろ。 ……不慣れな内に戦わせて悪かったな」
別に師匠が悪いわけでは――。
言おうとしたが、いつの間にか昨晩の部屋の前だった。
横で入室を促す師匠に礼を告げて部屋に入る。
扉が閉まると途端に身体の力が抜け、入った所で膝を突いた。
交戦から時間が経つほどに興奮が冷め、改めて疲労を感じる。
達成感は確かだが、それ以上に疲れ果ててしまった。
尋常じゃない倦怠感と睡魔に襲われる。
ドラゴンを倒したからといって、問題が全て解決した訳では無い。
元の世界に戻る方法も探さないといけないし、その間どうやって暮らすかだとか、まだまだ息をつく暇は無い。
無いのだが……。
――起きてからでいいか……。
ベッドにさえ向かわずに、ただ部屋に入ったその場で、泥のように寝入ってしまった……。
感情が安定してない…
修正(21/07/20)
・体内の魔素が足りない時に
→体内の魔力が足りない時に




