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ゲームの世界は好きだけど転移したいなんて言ってない!  作者: For-rest-one
第一章 悪炎竜『マローガドラコ』
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すごい大声で喋ってる

 師匠は上空に姿を現して、こちらに声を掛けた。

 度肝を抜かれた気分だ。

 一体いつの間にあんな所へ?

 彼はつい先程まで地上に、無防備に立っていた筈だ。


 何らかの手段で飛んだのかと思ったが、急に高高度に上がるというのは身体への負担が大きく、考えにくい。

 そもそも、魔法の構築中にそんな所作が可能なんて聞いていない。


 つまり、少し前から空中に居たと考えるのが自然なのだが……。

 夢でも見ていたのだろうか。

 すぐそこにドラゴンがいるのも忘れ、呆気に取られていると、師匠が徐に口を開いた。


「話したい事もあるが、今はまあいい。 それよりもお前のおかげで無事構築できた――。 氷魔法『ジェロ・アリシーダ(氷結呪縛)』。 さあ、トドメをさせ!」


 詠唱の後、ドラゴンの方へ何本かの半透明な巨大な鎖が放たれ、その巨体に巻き付いた。

 ドラゴンはそれを振りほどこうと藻掻くが、手負いの今では充分な力が出せないのか、より絡まっていくばかりだ。

 一方の師匠は、その鎖を維持するのに精一杯らしく、鎖で繋がれているドラゴンを静かに見据えている。


 未だ状況が呑み込み切れないが、師匠は無事で、今が絶好のチャンスという事には変わりない。

 気怠さと眠気を振り払い、微かに残った気力を振り絞り意識を研ぎ澄ます。


 ……よし、再度風魔法が発動した。

 辛うじて浮くことは出来たが、この感じでは長く持たないだろう。

 恐らくこれが最後。

 もう意識を失う寸前だ。

 師匠の言葉通り、これで倒しきる他ない。


「……ウェルテクス(旋風)エピタキン(加速)シ」


 半ば自棄(やけ)になって魔法を唱え、ドラゴンへ突撃する。

 抵抗する力も無くなったのかしっと佇んではいるが、それでも尚、鋭い隻眼の眼差(まなざ)しが僕を突き刺す。

 だが、もう物怖じすることは無い。

 空中で姿勢を整えながら、狙いをつける。


「ヴォア゙ア゙ァ――――!」


 最初に出会った時と同じく、こちらを脅かそうと咆哮しているのが分かる。

 けれど、今は立場が逆だった。


「負けるかぁああーー!!」

中途半端に区切りたくないので短めで失礼します(次回は長いとは言ってない)

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