魔石の陣
次回から投稿時間を変更致します。(後書きをご参照ください)
「という訳なので、魔法を教えてくれる時は、意味も伝えてもらえると有難いです」
僕は師匠に事情を説明し、師匠も呆れ顔で頷いた。
「そういうことだったか。 しかし、知らない言語が交じるなんざ、難儀なことだな」
全くその通りだ。
別に絶対ダメという訳じゃないが、限度があるだろう……と、誰に向けた訳でもない愚痴を心の中でぼやく。
「てことは、あいつらも魔法の才能が無い訳じゃないかもしれねえってことか……」
師匠はどこか寂しげに呟いた。
あいつらとは昨日言っていた、日本人の召環者達だろう。
彼らも僕と同じように、翻訳魔法に翻弄されたに違いない。
そう考えると、尚一層親近感が湧いてきた。
「まあいい。 今はそんな事より、目先の竜討伐が優先だな。 先ずはこの魔石陣のことから話そう」
確かさっき、これを使って鍛錬するとか言っていたな。
「魔石陣には色々種類があって、目的によって使い分けるんだが……、今回は、『召喚型』だな」
中々面白そうな話だが、召喚か。
僕をこの世界に呼んだ魔法に関わりが有りそうだ。
それにしたって、一体何を召喚するというのだろう。
これで行う鍛錬とはどの様なものだ?
「『召喚型』だと、使用者のレベルの大体半分以下のレベルのモンスターを呼べる。 つっても、結構制約があって、呼べるモンスターは限られてるがな」
レベル? レベルだって?
ゲームでは聞き慣れた表現だが、現実だと、攻撃力や防御力という表現くらい違和感を感じる。
才能や能力を数値化するなんて事、可能なのか?
だが、僕が訊くより早く、師匠は続けた。
「今から俺が何体かモンスターを呼ぶから、お前は片っ端から片付けろ。 それでお前は戦闘スキルを磨き、レベルを上げるんだ。 つまり、実戦形式の鍛錬だな」
理屈は分かった。
だが、このまま意味を知らないで聞き続けるのは良くないだろう。
「えっと、レベルって何ですか?」
何度も出てきた『レベル』。
大凡の意味はわかるが、定義を明確にしておきたい。
「おお、すまねえ、また説明を忘れてたな……、レベルについては、世界ごとに違う定義をされるみたいだが、この世界では『便宜的に細分化し、数値化した総合的な強さ』のことだ」
うーん……、分かったような、分からないような。
「『総合的な強さ』ってのは、力強さや俊敏性、身のこなしに魔法の熟練度まで、様々な能力が考慮され、判断される。 同じレベルだとしても、その能力は全く異なったりするんだ」
成る程、レベルが上がると能力が高まるのではなく、能力が高まるとレベルが上がるということか。
「これで分かったか? まあ、分からなくともドラゴン討伐にそんなに支障はない。 さて、そろそろ鍛錬を始めよう」
次話から
火曜19時投稿→火曜20時投稿となります
(更新ペースは変わりません。)
変更理由は、投稿までに時間的余裕を持たせたいのと、より多くの人に見ていただきたいからです。
何卒よろしくお願いします。
改稿(20/12/29)
・攻撃力や防御力くらい
→攻撃力や防御力という表現くらい




